アニメ部門 氷河戦士ガイスラッガー(1977/4/12〜1977/8/30)

あっはっは。ジャッカー電撃隊と同時期どころか10日違いだよ。なに?この年サイボーグが流行ったの? おまけに両方ともテレビ朝日系列。火曜と土曜の違いだけ。おっかしいなぁ・・・別に狙ったわけではないのに。妙な因果を感じる・・・両方とも石ノ森原作だし。


三万年前に繁栄したソロン王国。サイバノイドになった五人の戦士、ガイスラッガー達は最新鋭戦闘船ソロン号と共に冷凍冬眠の為の実験に赴く。侵略者インベムに対抗する技術を獲得するためだ。
実験中、地球は地軸変動により氷河期になり、王国やそれまでの地球の文明は滅亡してしまう。滅亡した地球はインベムにとって攻略の必要性無しと判断され、インベムの侵略は中断される。滅亡したソロン王国であったが、彼ら五人のメンバーだけは冬眠エリアでずっと眠り続けた。そして現代の地球に侵略者インベムが攻めてきた時、彼ら五人は南極の氷河から目覚める。
リーダーでソロン号操縦担当のシキ・ケン。レーダーや防御システム担当で皮肉屋、ミト・カヤ。生身の部分がほとんど無いパーフェクトサイバノイド、攻撃システム担当のオノ・リキ。負傷者の治療(修理)担当で紅一点のタニ・マリ。逆探知や解析、そして兵器の発明をする天才少年、イイ・タロ。五人の戦士達は目覚め、今出撃の時来る!!


と、言うわけでインベム大軍団にたった一機で特攻する特攻大好き戦士ガイスラッガーです。このソロン号の攻撃はかなり独特で、普通にビームやミサイルなどでも攻撃しますが、必殺兵器とも言うべきソロン攻撃は先端に付いたドリルで敵戦艦に穴を開け、ドリルを介して戦艦内になだれ込み、制圧もしくは爆破とかなり捨て身な攻撃方法なのです。彼らがサイボーグなのは特攻する為の衝撃に生身では耐え切れないという事と、戦艦内で白兵戦をする事が前提な為、肉体強化を行ったようです。ソロン号に搭載された治療室は彼らのパーツがほとんど用意され、頭脳がやられない限り幾らでも代替パーツがあるようです。物語上で足が吹っ飛んだりしますが、すぐに治療を受けてまた戦闘とかなりのしつこさです(笑)正直エクシードチャージは彼らが突っ込んできて、艦内に侵入されたら逃げますね(笑)彼らは特攻する際に、衝撃緩和とその後の白兵戦を繰り広げる為にアーマーを装着します。これもかなりの生存率と勝率を上げていると思われます。因みにオノ・リキは普段から重装甲な為、アーマー装着は必要なし。敵艦内に侵入するのも彼が先駆けです。みんなの盾でもあります(笑)
ソロン攻撃にはドリルで敵に突っ込みそのまま敵艦を貫通するという物もあるので、これがあれば正直白兵戦はいらないんじゃ?とか思いましたがそれじゃ彼らの存在意義が・・・じゃなくて確実に敵を殲滅するのに白兵戦は必須なのです(と思うことにします(笑)
ソロン号に乗るのはやはり生身では無理らしく、全開加速時ではサイバノイドでもかなりキツイGのようです。レーザー攻撃には光子バリアー、ミサイルには磁力バリアーという風に、各々を展開して防御に当たる。両方同時に展開する事不可能である為、こんなエピソードがありました。

敵の大軍団に取り囲まれ、攻撃を必死で回避するソロン号。敵の極太高出力レーザーとミサイルが同時に襲ってきた時、ソロン号は光子バリアーを展開しわざと敵の高出力レーザーに吶喊。全てのミサイルがレーザーで打ち落とされ、何とかソロン号は無事に逃げ切るのだった。

わざと敵の攻撃に当たって全ての攻撃を回避するだなんて、アニメに限って言えば私の記憶ではあんまり聞いた事ありません。あっても絶対にこの作品が初出でしょう。こいつらいつも命がけ。そう言えば彼らの名前は皆日本語で表現できますし、一番初めに彼らを発見した志岐博士はシキ・ケンの子孫のような描かれ方をしているので、ソロン王国は日本人のご先祖様のようです。王国の紋章も太陽をモチーフにしてますし。さすがヤマトダマシイだぜ!?
そういえば、超有名アニメ「マクロス」に出てきたダイダロスアタック。これは戦艦が人型形態時に右腕部分のダイダロスという戦闘空母を敵艦に叩き込み、隔壁を開き中で待機していた陸戦兵器にて全弾斉射するというかなり荒っぽい方法。当時それを見た私は「これガイスラッガーじゃん・・・」と他の人に言おうとしましたが理解されないと思って言わないでおきました(笑)ようやく言えるわい!

さて、これは純粋な石ノ森氏の作品ですが実質的な原作、つまり漫画は描かれておりません。アニメが初出なのです。アニメが原作というのは石ノ森氏の作品には珍しいのではないでしょうか。この作品はかなりの短命で全20話。しかし別に打ち切りというわけではないので、この話数での予定だったのだと思われます。約二人だけどこかのサイボーグ戦士にそっくりですが、両方とも石ノ森先生作品なので問題ありませんね(笑)
今現在、この作品を視聴することはケーブルテレビなどでしか出来ません。かなりハードな物語展開で、最終回は必見なアニメですが、DVD化はされていません。東映作品なので、この頃ガイキングのDVD化が行われたので、ガイキングが売れればその内ガイスラッガーもDVD化されるかもしれません。皆さん、ガイキングを応援しましょう!
エクシードチャージは東映のアニメ部門(だけ)を応援します!(笑)

余談
今回、漫画・特撮・アニメでサイボーグを色々話して見ましたが、ほとんどが石ノ森章太郎先生原作(ゼノンもオマージュだし)の物ばかりでしたね。彼らを待っている未来は正直暗いものばかりです。つまり身体が機械であるため自分の子孫を残せないという事。しかし、自分達が犠牲になる事で他の誰かが幸福になるという、究極の自己犠牲の形がサイボーグなのです。それはある意味、石ノ森先生にとって究極のヒーロー像なのだと感じました。サイボーグという題材は確かに悲哀がありますが、時にはそう言う物も見てみたいと思う今日この頃なのでした。最近の仮面ライダーシリーズは強化服ばっかりだしさぁ。
因みにこの作品が放映された1977年にシベリアでマンモスの赤ちゃんが氷の中から発掘されたそうです。奇妙な因果を感じますね。
奇妙な因果vol.2。2006年現在でようやくサイボーグ技術が実現されたようです。脳から電気信号で両腕の義手へと動きの指令を伝達、数秒後には動くという、まだまだ実験段階ですが、それでもこの技術が進歩すれば、身体障害者の負担も少なくなる画期的な物になると思います。全ての人が自由に歩ける日も後少しですね。まさかこのコラムを書いてる時にそういうニュースが来るとは思いませんでしたよ?
と言う訳で、サイボーグコラム終了〜〜。さて次は何しますかね!