特撮コラム 仮面ライダークウガ その④

本日はクウガの能力論ですね。皆さん予習しましたか? 復習も忘れちゃいけませんよ(笑)
あ、ここでちょっと昨日の講義の訂正です。フォームチェンジの草分けは「イナズマン」であると書いてしまいましたが、実はその一年前に放映された1972年の「愛の戦士レインボーマン」が草分けでした。申し訳ありません。
あ、レインボーマンって同い年だ。やべぇ!歳ばれる(笑)


さて、一年間に渡って様々なグロンギ怪人と激闘してきたクウガですが、その能力は様々なフォームを使い分ける事で行うことができたと言えるでしょう。よく昭和期のライダー達は一フォームで闘えたな…と思いますね。まぁ子供番組のお約束がそうさせたのでしょうが。勿論、フォームチェンジ出来るライダーは他にも多々いますけど。
さて、仮面ライダークウガは様々なフォームに「超変身」と言う掛け声で変化する事が出来ます。大きく分けて四つ。


まず、初登場時に出てきた白のクウガ、グローイングフォーム。この形態は五代雄介の心が不完全な(闘う決心がつかない)状態で登場しましたが、基本的には他のフォームで深刻なダメージを負った時でもこの状態になります。クウガとして変身しているのは非常に体力を消費するので、時間限定のフォーム、例えばペガサスフォームなどは50秒しか変身していられず、それを過ぎるとこの白のクウガになってしまいます。要するにクウガの不完全な状態だといえます。しかし、不完全な状態でもライダーキック三連発を放って怪人を倒した事があるので、簡単にはへたばらない、根性のフォームとも言えるでしょう(笑)
次に標準体で象徴とも言うべき赤のクウガ、マイティフォームです。グローイングフォームの約三倍の力を持ち、必殺のライダーキック、マイティキックはズ階級やメ階級の怪人なら一撃で倒す事が出来ます。番組序盤はただの二段蹴りでしたが、強固なサイ種怪人に対しては雄介の空中回転の技を加えて威力を増したその力は約30t。
主に格闘を主体として闘う戦士の形態で、回し蹴りや裏拳等、ガチンコバトルに最適なフォームと言えるでしょう。
三番目の形態はドラゴンフォーム。主に俊敏体とも言える青のクウガ。水の心、つまり流水のような流れる技を用いて闘うスピードの戦士です。長い物を手にすればたちまち腕の特殊な力でドラゴンロッドを精製。力はグローイングフォームと同等になってしまいますが、ドラゴンロッドの流れるような棍棒捌きがそれを補います。棍棒という物はてこの力や回転する力で、例えば非力な者でもその戦闘力を数倍に高める事が出来ます。戦国時代や現代の古武術で女性に薙刀が適するのはそう言う意味合いもあるのでしょう。必殺技は高速でロッドによるジャンプ突きを繰り出すスプラッシュドラゴン。
緑のクウガと呼ばれるペガサスフォームは、主に索敵と長距離攻撃仕様。遠くにいる敵を察知したり、望遠カメラでも少ししか見ることの出来ない彼方の敵を専用銃、ペガサスボウガンで射抜く事が出来る疾風の戦士。この形態は五感の内の聴覚と視覚が極限までに強化された超感覚を使いこなす形態です。数十キロ先の敵を探知し、飛んでくる飛び道具を簡単に受け止め、圧縮空気を打ち出して敵を倒すブラストペガサスが必殺技。しかしその超感覚故か、神経を極限まで研ぎ澄まして集中しなければ無駄に他の音や視界を拾ってしまう為、体力共に精神力を大幅に削られてしまいます。その為、この形態でいられる時間はわずかに50秒のみ。更に力もグローイングフォームと同等な為、狙撃と索敵にしか使えないという欠点もありますが、それを補う為に装甲機ゴウラムが存在します。自由に飛行できるゴウラムに掴まって彼方の敵を狙撃する。それ故にペガサスと呼ばれるのかもしれません。ゴウラムについては後述します。
殴る、叩く、撃つときたらやはり斬るがなければ。紫のクウガ、タイタンフォームは斬り伏せる戦士です。打撃に強いイカ種怪人、メ・ギイガ・ギに初めて用いられました。このフォームは装甲と力を極限に強化した姿で、ジャンプ技等と言った軽やかな動きではなく、ノシノシと寡黙に敵を追い詰める動きが印象的です。どんな敵の攻撃も受けきって斬撃を放つ捨て身な闘い方は雄介の決意を顕したかのようです。必殺技は敵を追い詰め、もしくはカウンターで放つ怒涛突き、カラミティタイタンです。


ここでちょっと一息というか解説。クウガの腕に付いている水晶のような装飾品(名前忘れました、ゴメン)はモーフィングパワーという力で物質の原子・分子を一度ばらばらにして再構成させる現代には不可能な技術。長い物を手にするとたちまちドラゴンロッドに、銃型の武器や弓等を手にするとペガサスボウガンに、そして剣状の武器を持つと伸縮する剛剣タイタンソードに生まれ変わります。ここら辺は魔法のような技術なので現代の科学力を基準にして考えることは出来ません。物質を再構成するなんてちょっとやり過ぎな感覚はしますけど、そうでもしない限りクウガの武器を出現させる事が出来ませんから仕方ないと思います。ま、武器に順ずる物を手にすればという限定条件がありますので、いきなり出てくる不思議武器、という特撮のお約束よりは多少ましだと思います。お腹のベルトからいきなり剣出したりとかね!(例 仮面ライダーアギトの不思議武器群)


さて、番組中盤になると(玩具売り上げ目的の)お約束、パワーアップが成されます。しかし、そのパワーアップの仕方がとても印象的です。
キノコ種怪人メ・ギノガ・デの毒に犯された雄介は一条の親友でありクウガ専門医、椿医師から除細動機(心臓電気ショックの機器)にて蘇生を施された事があります。結局ベルトの力、賢者の石であるアマダムの力によって蘇生(一度心臓が止まって死亡が確認された)したのですが、この電気ショックが賢者の石を活性化させ、上記の格フォームに特別な力を与える事になったのです。
メ階級の上位辺りになると、格フォームの力が通じない事を知った雄介は、自分の力があの電気ショックから微妙にアップしているような感覚に捉われます。そしてその力を使いこなし、雷をモチーフとした金の力を発現させていきます。所謂ライジングフォームです。
基本的に格フォームのパワーアップ版で、ライジングマイティ、ライジングドラゴンと言われています。出現の順番が前回と逆なのも面白い。つまり、
マイティ→ドラゴン→ペガサス→タイタン→Rタイタン→Rペガサス→Rドラゴン→Rマイティ
という感じ。必殺技にもライジングと冠される事になります。
そのフォームは前回の変身時間の約半分という結果になりましたが、敵に止めを放つ際に変身するフォームなので、決め技と言えなくもありません。中でもそれまで一般的で標準体と言われていたマイティフォームが、極限まで強化され格フォーム上で最強形態になりました。ライジングマイティキックは約50tの威力をマークし、そのキックを叩き込まれた怪人は半径3キロメートルの爆発衝撃波を放つ事になり、限定条件(周りに被害が及ばない様な場所)でしか撃つ事が出来ない諸刃の剣でもあります。
ライジングシリーズは格フォーム共に生体装甲に金の縁取りが入ったようなデザイン。タイタンフォームだけ何故か銀のカラーリングが殆ど紫に変更、その上に金の縁取りをされています。四フォームに共通しているのはライダーベルトに金の装甲、アークルアーマーを施された所でしょうか。


む、ちょっと長すぎるかもです。長すぎるので今回はここまで。次はこれより更に別の強化フォームと支援メカを紹介しよっと。本当に長くなったなぁ。でもクウガ好きならコレくらいやらねばね。
ではまた〜。