特撮コラム 東映スパイダーマン(1978年〜1979年)その①

スパイダーマンと言えば、つい最近ハリウッドでも映画シリーズ化され、結構大ヒットした作品ですね。マーベルコミックスと言うのは二大アメリカンコミック、所謂アメコミのコミックス会社。アメコミの歴史は下手すれば200年以上前の話になるのでここでは割愛させて頂きますが、兎に角マーベルコミックスというのは歴史の古い会社であると言えるでしょう。スーパーマンが生まれたのって1938年なのか、スゲー古いね! まあスーパーマンは二大巨頭のもう一つの会社、DCコミックスの作品ですが。
スパイダーマンは兎に角アメリカンコミックスの中ではかなり重要な作品で、1970年代に実写でこれを再現するのは不可能だとされていました。実際、今現在でスパイダーマンが放映できるのはコンピューターグラフィックスに依存するところが多い。二度程、スパイダーマンの実写映画が行なわれたようですが、余り話題になっていないせいか情報不足。そこかしこでは「昭和の古い泥棒みたいに抜き足差し足する感じでダサい」と言われています。私が言ったんじゃないですよ?(笑)
しかし、日本のテレビシリーズとなった「東映スパイダーマン」はかなり凄い! だってちゃんとビル登ったり東京タワー登ったり逆さでビルから降りたりしていたんですもん! DVD見てびっくりしました。アメリカや諸外国ではこの体を張ったスタントアクションがかなり好評でしたが、この日本版スパイダーマンは長きに渡り封印されてしまいました。
理由の一つは、マーベルと東映の契約が切れてしまったと言うこと。期間限定の契約、即ちそれは日本でスパイダーマンを自由に使っても良いと言う契約でした。しかし、この期間が過ぎると日本での紹介は一切禁じられ「スパイダーマンアメリカに帰ってしまった」と言う事になったのです。
理由二つ目。本来期間が過ぎても人気があれば契約を継続するような動きが出ても良かったのですが、アメリカ側では東映スパイダーマンを認めない運動の様な物が活発になってしまった。それは日本独自の設定、スーパーロボットレオパルドン」の存在です。
当時、アメコミファンの間ではレオパルドンを見て絶句し、激怒したそうです。「何じゃこりゃ!」って感じで。日本側としては関連商品を販売する為によく使われる手だったのです。その関連商品というのがレオパルドンだったのです。円谷のウルトラマンシリーズも一段落し、東映でも巨大ヒーローを模索していた時期だったのだと思います。ウルトラマンの特撮技術を模倣し、等身大ヒーローを中心とした物から巨大ヒーローへ。それがロボットと言う帰結になったのでしょう。しかし、それを他人の版権でやったのが不味かった。
日本独自の物なら何も文句は言われないと思いますが、アメリカのヒーローでやったのは正直かなり「やっちまった」感覚だと思わざるをえません。当時そんなこと全然知らないで見てましたよ、自分。おかげで名実と共に黒歴史ガンダム用語。見てはいけない歴史や暴いてはいけない過去の事物をこう呼ぶ)化してしまいました。道理で映像資料が見つからないと思ったら。近年になって東映スパイダーマンがDVD化された訳ですが、これもまたアメリカの方からテコ入れか何かは知りませんが、一度販売停止の事態に。ようやく販売されたと思ったら販売されるのはこの一回こっきり。もう再販されることはないと名言されてしまい、また再び黒歴史化する事態になってしまうのではと思われましたが、つい最近、バンダイからレオパルドンの玩具が販売され、それに伴いスパイダーマンの人形もそれに同梱されることになりました。
実際の所、日本での東映スパイダーマンの人気はかなりな物で、自分を含めた30代の男子世代にとっては憧れのヒーローでした。でも、レオパルドンが鮮烈だったせいかスパイダーマンの事はあんまり覚えてなかったりして〜(笑)


概要を書くだけでこの有様。次回は日本版のストーリーとレオパルドンを紹介しますぜ。
それではまた〜。