ビーストウォーズメタルス 超生命体トランスフォーマー(1999年10月〜2000年3月まで放映)
BWファーストの正統なる続編。完全に続き物なので、いきなり番組開始からコンボイが死んでいて吹っ飛んだ人もいるかも知れない(笑)およそ2番組経てからの登場は色々原因はあるようですが殆ど詳細は不明な状態。権利問題、もしくはただの連絡不足か?
前作では月だと思われていた物は実は惑星破壊兵器で、その兵器を止めるべくコンボイは単身脱出用ポッドに乗り込み惑星兵器を破壊する事に成功したが、コンボイ自身も行方不明となる。兵器が破壊された影響で、クォンタムサージと呼ばれるエネルギーが全土に降り注ぎ、トランスメタルスパワーを秘めたトランスフォーマー達が生れる事になる。新たな形態を得たサイバトロンとデストロンの熾烈な戦いが始まると言うのが粗筋。
初出はセカンド放映中かその後か。映画にて「ライオコンボイ危機一髪」と同時にBWファーストの編集版とメタルスが生れる冒頭の映画が放映された事があります。つまりセカンドの時にはすでにフィルムが来ていたにも関わらず、メタルスの放映はネオの後と言う事になってしまった。声優の吹き替えが単に間に合わなかったのか、それとも商品展開をネオの後にカレンダー付けしたいが為か。兎に角約一年以上のブランクを経てメタルスは放映されました。
前作同様アドリブに更に磨きが掛かっている様に見えます。総集編とは到底言えない(笑)放映中の映像をリミックスしての番外編も作られたようで。それにしても本当にふざけ過ぎな感があるけどやはりBWはこうで無ければ、と言うファンと保守派の真面目にやれよ!と言うファンでかなりの両極端に分かれて評価があるみたい。BWファーストのファンには何故早くメタルスを放映しないのか、とかなりの反発も有った様です。
玩具的にはネオの影響かどうかは知りませんが、ネオ以降TF玩具のサイズ縮小が成され、このメタルスもその影響でBWファーストに比べるとかなり小さくなってしまった。本来マンモスになるはずのビッグコンボイはライオコンボイより大きくなるはずだったかも知れません。2クール目の「大きくな〜れ」の回で不評だったかどうか知りませんがメタルスコンボイは大幅にパワーアップ。パワードコンボイになって生まれ変わります。
実はこのBWが展開されている惑星は遠い昔の地球であり、現在のコンボイ達は遠い未来からタイムスリップしてきたと言う設定が明かされ、400万年前にデストロン軍団共々に不時着したコンボイ達が眠った姿(G1第一話の物語にリンクしている)となって登場します。しかしメタルスにおいてメガトロンがG1コンボイを破壊すればそれ以後の歴史は改変される、と言う事で初代コンボイを守る為にビースト戦士達は戦いを繰り広げていく、と言うストーリー構成はなかなか見ごたえあり。初代コンボイと現在のメタルスコンボイははるか先祖と子孫と言う関係だと言う事が明かされます。
前述の通り、アドリブにはかなり磨きが掛かり、声優一人一人がその場で何か台詞を考え付かなければならない様な状況が多くあったそうで。アドリブが駄目な人は自分の出生地の地方語を使いに使ったような所があったりしてかなり楽しい作品に仕上がっていると思われます。OPが始まる前、EDが始まる前と終わった後に必ず声優の台詞が入り半ば漫才の様な状況になっていました。コンボイの「影山さんの歌の後でな」がイイ。前作BWの最終回にもあったようですが、声優がスタジオに集まって皆で歌を歌う等のイベントもあります(笑)すんごく楽しそうなので一度見てください。ファースト・メタルス・リターンズ共にヤフー動画にて無料で視聴可能です。

超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズリターンズ(海外放映年2002〜2003年? 日本放映は地上波でなく特殊な放送形式にて2004年初出) 
日本では地上波はかなり後になり、それも地域限定なBW最終作。初出はモバイル放送と言う特殊過ぎる形態での放送で、移動端末用に作られた物。一応テレビに接続して受信する事は可能だけど、QVGAと言う本来小さな画像なのでテレビで見るとかなり画像が荒れる様です。
海外での放送はいつなのか判明しませんが、前作メタルスで得た人気は失墜し、かなりの不人気ぶりだったようです。原因はやはり様々あるようですが、生物とも機械とも見分けのつかないデザインとか、物語の陰鬱化、更に言えば初期(ラフ)デザインから玩具スタッフ・アニメスタッフが殆ど別経路で動いた為に似ても似つかない、デザインが悪い等の著しい連絡不足があったようです。アニメ製作もスタッフ総入れ替え状態だったらしく、皆が皆独自で動かなければ番組が回らなかったと考えられます。2010の悪夢再び。玩具自体の出来はそれ程悪くないのですが、やはりその奇抜な生物的デザインは総じてキモい呼ばわりされた様で。連絡不足と言う話ですが、まあ要するにハスブロの仕事ぶりが悪かった、と言うだけの気がします。
日本で一般に放送されるのは更に一年を経て、それに放送形式がケーブルや地域限定という異例な不人気ぶりが却って声優の暴走を止められない状況になったらしいです。メタルスなんて比じゃない位のアドリブ、その暴走ぶりは誰も止める人がいない様な状況。さすがに中盤で、コンボイが死んだとなったその様が潰された様な状況だったので「イボンコペッタンコ! イェイ!」と言う歌みたいなアドリブをかました事がありましたが、さすがにタカラの人に怒られたらしいです(爆笑)
その他下ネタやパロディ解禁、放送禁止用語以外なら何をしても良い様な風潮がアフレコ現場に流れ、想像を絶する程のカオス感、原型を辛うじて保つ原作の流れが微妙な人気を呼んでいる様です。DVDにも特典として声優の生の顔が収録される状況。ある意味、テレビ画面で声優の生が見れるのはこの作品以降からの様な気がするのは気のせいじゃないはずです。
BWシリーズはこれを持って終了。TFのある意味裏の世界を覗いた状況と思えました。これ以降BWが放送される事があるなら、またこのカオス感漂う雰囲気になる可能性は否定できなかったりするかもしれません。今後の展開に気を付けたいと思います。
リターンズの徹底的な不人気ぶりからハスブロは日本独自で作った「トランスフォーマーカーロボット」を日本から輸入、何とかリターンズの不人気を解消出来たという話です。カーロボットを基点に、後のマイクロン・スーパーリンクギャラクシーフォースは連絡の徹底を強化してなかなかの人気を呼んだ様です。しかしいつかまたビーストウォーズが始まる、そんな予感があったりなかったり(笑)


さて前日に言った、タカラ原点回帰の呼称について。
例えばパワードコンボイやバトルコンボイと言う呼称は既にダイアクロンで使われている呼称だと言う事。つまり、
ダイアクロン時:バトルコンボイ→TF時:コンボイ
ダイアクロン時:パワードコンボイ→TF時:ウルトラマグナス
と言う感じ。カーロボットと言う呼称にしても、実はダイアクロンで既に使われている呼称で、ダイアクロン部隊の一つにカーロボットのカテゴリー、更に建設車ロボ・恐竜ロボ・トレインロボ等があります。それはある意味、BWシリーズからの脱却、つまり日本独自でTFをダイアクロンへと原点回帰する様な印象を見受けられるでしょう。他にもトランスフォーマーZの主役ダイアトラスは「ダイアクロン」の言葉のもじりで付けられた名称で、ロボット・飛行機・タンク・基地と言う変形をこなします。基地と言う命題はダイアクロンからの継承であり、カーロボットの主役ファイヤーコンボイも基地に変化する機構があるようです。タカラのダイアクロンへの思い入れは想像を絶する物だと思います。今回の映画TFには基地らしきものがありませんが、オプティマスプライムにトレーラーが付いたらひょっとしたらひょっとするかも? と言う感じですかね(笑)
簡単な説明でしたが、如何だったでしょうか。TFの黒歴……じゃなくて違った歴史を追っていった感じであると思います。何も車や機械ばかりがTFじゃない。生き物だってスキャンする事も有るだろう、と言う事がBWの原点だったと思います。出るかどうか分かりませんが、今後のBWに期待したいと思います。
それではまた〜(U_U)ノシ