レイ君の日記 その2

いい子だね、レイ君……

年が明けていきなり更新のエクシです。
まあ最近になってようやく現実が分かってきたと言うか、兎に角見ていてくださる方達に近況報告いたしましょう。
前回の更新からほぼ一ヶ月。現実が分かってきたと言うのはつまり、現状はどうにもならない事態であり、現実はとても非情だと言うことを認識する確認作業とも言っても過言ではありません。それを踏まえて、この一ヶ月を説明したいと思います。
このブログのマスコットキャラであるレイ君が病気になりました。一ヶ月前の当時、通院していた病院がイマイチあてにならないので別の病院へと変え、色々調べてもらった所まず胆泥症と言う病気だと言われました。胆嚢に泥が溜まってそれが胃を圧迫し、全く食欲が無くなってしまう。しかし、別の病院の先生は「これはそれだけでは無いかも知れない」と判断。その胆嚢を治す薬を幾ら投与しても改善に向かう様な状況では無かったからです。
個々の病院ではそれ程の検査機器が無く、結局大学病院へ赴き、身体の隅々まで検査する事に。藤沢にある某患畜向けの大学に行って検査した所、結果として出たのは「もう治らない」と言う事でした。
ぶっちゃけ言いますと、悪性リンパ腫、つまり広い意味で言われる血液の癌、白血病と言う病名でした。
最近になって白血病は治療方法が明確になり、完治すると言う事は無いにしても不治の病、もうかかったら最後、と言う状況では無くなりました。しかしそれは人間のお話。患畜、つまりペットの犬や猫に対しては一向に治療方法は確立せず、抗がん剤を利用した対処療法で約一年、しなければたったの一ヶ月で死に至る病である事に変わりはありませんでした。
結局お医者さんからさじを投げられたと言う状況。どうやっても治らず、抗がん剤にしても使用すれば身体に負担が掛かる。今の現状(ご飯が全く食べられない状況)で使用すれば加速度的に身体能力は下がりレイ君にとってもつらい毎日になる。抗がん剤と言うのは魔法の薬ではなく、がん細胞と一緒に正常な細胞まで殺してしまう薬です。そんな薬を投与されればまさに闘病生活と言う状況になるでしょう。私は岐路に立たされました。抗がん剤を使用して延命するか。ステロイド(免疫力を下げる薬)を投与して短い一ヶ月と言う命でも安楽に過ごすか。私は後者を選びました。事実、後者を選ばなければならない状況だったとも言えます。だってご飯全然食べれる状況じゃなかったし。
悪性リンパ腫と言うのは血中のリンパ球、白血球が爆発的に増大し免疫力を上げてしまう先天的な病気。簡単に言えば悪い菌を殺すはずの白血球が何らかの原因で増大し自分の身体を殺してしまう病気です。その免疫力を下げるステロイド剤を使用して一時的にレイ君の免疫力を強制的に下げる。これは毎日朝晩二回の注射で行われます。注射なんてされた事はあっても人にしたりする事は普通一般人には無い経験です。静脈注射では無く、皮下注射なので簡単だと先生が言ってくれたので何とかこの一ヶ月やってきました。ステロイドの効果はかなり抜群で、ご飯を全く食べなかったレイ君も朝晩食べれるようになりました。市販のドッグフードは食べれないので、出来るだけ豪勢に、と言う事で鳥のささみの生をあげます。やはり生はおいしいのか、出したら速攻で完食してくれるのはとても嬉しい。でも何故か煮たりすると食べないんですよね。やっぱり動物としての野性がそうさせるのか。獲物を仕留めて食べるときに煮たり焼いたりするのは人間だけなんですね。
さてそう言った状況をずっと続けて約一ヶ月。まだレイ君は存命しています。ジャンプとか階段は登るのが出来なくなりましたがまだ歩けます。ご飯も美味しそうにペロリと食べてくれます。しかし……おしっこはかなり頻繁にする様になりました。下痢が酷く、うんちをしても殆ど液体です。そして腹水も溜まっています。後ろ足がそろそろ力がなくなってきました。
確実に訪れる死。そんな現状を止められない。しかしこれは先天的、つまり天命であり運命であり宿命であり……とか思っても到底納得出来ません。まだたったの三年。三歳で白血病に掛かり、医者には何も出来ないと宣告され、ゆっくりと静かに死を待つ現状。私はそれを認識するのに相当の時間が掛かりました。更新を止めたのは、結局出てくるのは愚痴ばかりだと思ったから。だから私はレイ君の死を静かに見守る事にしました。仕事も午後で帰宅し、電話と自宅のテーブルで会計作業を何とかこなしています。そんな中、レイ君は足元の座布団の上で楽にしています。時には寝ていたり、じっと自分を見ていたり。私は時々おやつをあげたりずっと撫で回していたり。そんな一ヶ月でした。
驚くほどレイ君と一緒にいる時間が大幅に増え、今、ようやく彼の最後の命を見守る覚悟みたいなものが出来たと思います。ですので、もうしばらくこのブログの更新は控えめになります。見ていてくださる方達には申し訳ありませんが、何卒ご容赦ください。
それではまた。