第17話 裏切りと暗殺の旅路 前編

世界連盟はバルディオスの構造を参考に秘密兵器、巨大ロボットガムジャードを完成させた。ガムジャードは亜空間を航行する事は出来ない物の、その性能はバルディオスに次ぐ戦闘力を持っている。その完成を視察しに来た月影は連盟幹部の前で酷評する。優れた兵器を扱うパイロットがいないと。しかし連盟の幹部達はブルーフィクサーの地位を失う事を恐れた発言だと退けた。連盟と月影の齟齬は以前からあったが、この時を持ってますます広がっていく事になる。
丁度その頃、バルディオスへの対策に苦慮していたアルデバロンの幹部達がアフロディアの作戦に疑問を持ち始めていた。そこへ一つ妙案があると幹部の一人デグラスが発言する。それはマリンをアルデバロンの味方に引き入れる事だった。連盟に送り込んでいたスパイからガムジャードの完成を知り、その秘密兵器を逆に利用してマリンの立場を孤立する作戦を説明する。回りくどいその作戦を批判するアフロディアだったが、ガットラーはその作戦を推し進める許可を出した。
来襲する敵。スタンバイするブルーフィクサーだったが、連盟からの待機命令によりその出撃は見合わされた。ガムジャードの有用性をテストする為である。ブルーフィクサーの面々はガムジャードが出撃し、無残に撃墜される結果を予想していたが、物の見事に当てが外れた。敵の透明円盤群を初陣で撃破し圧倒的な戦闘力を見せ付けるガムジャード。
その後のガムジャードの活躍は連戦連勝と目覚しいものであり、連盟は気を強くしていく。同時にブルーフィクサーへの風当たりが強くなり、その存在価値を疑う者も出てきていた。現に南米にあるブルーフィクサー第二基地の建造計画が休止され、ガムジャード二号機が建造される状態だ。出撃する事の無いパルサバーン格納庫で苦悩するマリンに、クインシュタインが告げる。何があっても自棄にならず、仲間を信用しろと。その言葉を強く受け止めるマリン。
ブルーフィクサーの失墜、全てはデグラスが仕組んだ作戦通りに事が運んでいる。ガットラーはデグラスの作戦を支持した。アフロディアをないがしろにするつもりは無いが、一向に地球侵略の目処が立たないアフロディアの作戦を庇う訳にもいかなかったのだ。永遠にこの亜空間に駐留する事は出来ない。亜空間の虚空を見つめ苦渋する総統、いや、一人のS-1星人がそこにいた。
遂に連盟からブルーフィクサーの人員削減が行われる事が決定した。その仕打ちに反発するマリン達は、待機命令を無視してバルディオスにて出撃を敢行した。敵の来襲からガムジャードが出撃したが、その戦闘を邪魔するかのようにバルディオスが次々と敵を撃墜していく。マリン達は自分達の力を連盟に再確認させようとする行動だったかも知れないが、その行動は裏目に出た。意気揚々として帰ってきた彼らに命じられたのはマリンの追放命令だった。デグラスから連盟にマリンを追放すれば地球の占領地の四分の一を返還すると言う申し出があったのだ。ガムジャードを持つ連盟にとって最早ブルーフィクサー、ひいてはバルディオスの有効性を見出さなかったのだ。更に先の命令無視も相まって、マリンを無価値と判断したのだ。いらなくなったらお払い箱、地球人ではないS-1星人であるマリンは再び孤独な感覚を思い起こさせる。そんなマリンに月影は一時的に身を隠す様に諭す。いつか必ず呼び戻す、月影の言葉を信じてマリンはエアカーを走らせ長官の言う隠れ家に向かった。そこへ突然の襲撃。武装したエアカーの一団から銃撃される。敵は誰なのか? 状況が分からず攻撃をかわし反撃する。エアカーに装備されたビームガンで敵の乗るエアカーを撃破し、そこから逃れようとする兵士を捕らえて締め上げる。
兵士は地球人であった。誰の命令で自分を狙ったのかと詰問するマリンに、兵士は月影の命令で、と答えた。月影の命令、確かにそう聞こえた。その答えから目の前が真っ暗になるマリンは思わず拘束を解いてしまう。その隙に兵士がマリンを撃とうしたが、別の銃撃で兵士は絶命した。茫然自失としているマリンの前にデグラスが現れる。彼がマリンを救ったのだ。デグラスは命を賭けて自分を説得しに来たと言う。連盟はともかく、月影長官が自分を裏切るはずが無い。しかし、なら何故マリンがこの場所を通る事を知っていたのか、周辺に地球人の兵士を待ち伏せ出来たのかと反論される。最早地球人に味方はいない。そう強く言い放つデグラスにマリンは絶望した。
「汚ねぇ……汚ねぇ! 汚ねぇぇぇっ!!」
怒りに自らの毛髪を引き千切るマリン。デグラスのマリン奪還作戦は着々と進行していた。

エクシ感想……月影のいらぬ発言によりマリンの立場が悪くなる回(笑)そのおかげでバルディオスとガムジャードの共闘は龍飛さんの漫画の中でしか表現されなくなりました。まあ多分、戦闘に参加してもバルディオスの足を引っ張る事になる可能性もありますが、それでも戦闘力皆無な連盟軍よりかはナンボかマシだったと思います。
「おめでとう御座います! これでバルディオスに強い味方が出来ましたね!(役にたたねーと思うけど)」
とか言っておけばいいのに。つくづく長官は世渡りが下手糞だと思います。
と言う感じで今日はここまで。それではまた〜(K_K)ノシ