TVトランスフォーマーの足跡 その2

ドリームアゲイン!

さて、前回に続きまたTFの歴史を垣間見てみよう。
改めて調べて書くと結構自分で知らない事もあるのが驚き。
正直実写映画は追いきれないな。サイドストーリー多過ぎるorz
ではカーロボットから解説してみましょう。



主役:ファイヤーコンボイ 2000年〜
トランスフォーマー カーロボット
完全日本独自の作品ではあるが、パラレル世界ではない。G1コンボイ達とは別の場所で繰り広げられるトランスフォーマー達の戦い。フォートレスマキシマスのリデコ品、ブレイブマキシマス等、前作の金型を使った玩具も多い。
未来からやってきたTF達、サイバトロンとデストロンのエリート部隊デストロンガーの死闘ではあるが、かなり子供向けに製作されているのでコミカル描写も多い。アニメはセルとCGの両建て方式。
玩具は原点回帰とも言うべきビークルからロボットに変形するシリーズを久々に復活させ、ガワ変形と言う言葉のハシリともなった製品であり、その変形の難しさとアクションフィギュア的な玩具は玩具マニアを唸らせるモノとなったが、子供に対してはイマイチ売り上げが伸び悩む様な作品だった。
一応トランスフォーマーの商標を使ってはいるが、日本的な視点で言えば原点回帰、ダイアクロン系のカーロボットを復活させ推したとも言える。タイトルロゴにしても「トランスフォーマー」よりも「カーロボット」の字が大きく、ある意味アメリカからの脱却を狙った作品だったとも言える。
対してアメリカでは、独自のビーストマシーンズ(リターンズ)の不振(物語性のシリアスさや陰鬱な展開)が酷く、その状況を打破する為には日本で独自展開される「カーロボット」に頼らざるをえなくなってきた。
結果としてカーロボットのアニメをそのまま吹き替え、輸出した作品「トランスフォーマーRID(ロボットインディスガイズ)」シリーズが展開、ビースト系のシリーズ玩具は完全に打ち切られ、再びTF玩具はビークルを主体としたモノへと変遷していく。因みにRIDはG1TFの商標とも言える言葉で、アメリカにしても原点回帰を狙ったと言える。

主役:マイクロンコンボイ 2003年〜
超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説
今までの作品とは違い完全新規のTF展開。ストーリー原案をアメリカ側が担当し、G1TFの物語やキャラクターを踏襲しつつ、全く新しいコンセプトのシリーズ展開を行った一作目である。
玩具は前作カーロボットの反省から変形を子供でも出来るように簡略化し、それでいてビークル&ロボットで破綻の無い様なデザインに仕上がっている。
結局前作からアメリカ側、つまりハズブロ側はTF展開に日本への協力が不可欠だと言う事が改めて理解できた作品でもある。
マイクロンと言う新しいTFの種族を巡ってのサイバトロンとデストロンの戦い。
そしてTF達にとって最大の敵ユニクロンを登場、玩具化した初の作品であり、四クールにも及ぶ物語展開、ハードな脚本とかなり高評価を受けたシリーズでもある。

スタースクリームの描写が前作とは全く違ったキャラクター像として描かれたり、最終回のコンボイVSメガトロンの死闘等、傾注すべき部分の多い作品である。
因みにアニメや特撮のOP等で有名なサイキックラバーはこの作品でデビューとなる。
デビューからしてすげぇ派手である。

主役:グランドコンボイ
トランスフォーマー スーパーリンク 2004年〜
前作マイクロン伝説の正式な後日譚。前作の登場人物達も多く出演する。丁度10年後の物語。
前作では人間キャラクターがかなりアレな感じではあったが、今作品では人物の作画もかなりクオリティがアップしている。比較はこちらで見てくださいな。
http://d.hatena.ne.jp/ekuseidcharge/20080513
誰っだぁ!? おめぇ! 的な作画の違いであります(笑)
因みにスーパーリンクからトランスフォーム描写が殆ど(番外編等を除く)CGとなった。
音響監督(声優を監督する役職)が岩浪美和なので、ビーストに登場した声優が多く、やはりかなりコミカルな作品に仕上がっている。

主役:ギャラクシーコンボイ 
トランスフォーマー ギャラクシーフォース 2005年〜
マイクロン、スパリン、ギャラフォの三作品をユニクロン三部作と呼称する。
但し、日本放映版ではギャラクシーフォースを完全新規の世界として描かれ、海外での放映版はスーパーリンクからの正式な後日譚となっている。
なので、最終回付近のエピローグでは前作のキャラクター達(ラッド・カルロス・アレクサ・キッカー)が登場する。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2294022
殆どの玩具は新規金型。特にギャラクシーコンボイとメガトロンのボリュームはかなり凄いモノとなっている。
更に色々な星を冒険し、様々なトランスフォーマー、様々なコンボイ達も登場し、伝説とも言える創造神プライマスを製品化した初の作品であったと言える。

主役:ビーストコンボイ
超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズリターンズ 2004年〜
ビーストウォーズシリーズの最終作品。メタルスのれっきとした続編である。
今作から変形の掛け声は変身!から「トランスフォーム」となっている。全編3DCG作品。
前作では動物からロボットへ、と言うコンセプトではあったが、今作では生体と機械の融合体、生機融合体のトランスフォーマー達となっている。しかし動物の身体から機械がはみ出ている様は総じてキモい、ゾンビTF等と囁かれ、玩具売り上げはかなり不振であったとされている。
日本版の音響監督はまたもや岩浪美和で、アドリブがかなり激しく、おふざけ要素もパワーアップ。特にメガトロン役の千葉繁の台詞台本は殆ど空白である事が多く(本人が好き勝手に台詞を決めて良いらしい)千葉のアフレコの度に他の声優陣はその台詞を自分の台本に書き記すと言う至極あり得ない現場だったと言う(笑)
が、これは2004年にモバイル放送にて放映されたバージョンであり、海外で放映されていた今作(ある意味原作)はかなりシリアス要素や暗い表現がきつい。それを受けての日本版だったのだろう。
放送局も当時新しい放送形態の一つであるモバイル配信と言うモノ(今のワンセグの様なモノ)で、「多分誰も見ないだろ、これ」的な雰囲気がアフレコ現場では流れていたらしく、かなり好き勝手にやっていた模様。
が、コンボイが死んだシーンで「イボンコペッチャンコ、イェイ! イボンコペッチャンコ、イェイ!」と仲間達が騒ぎ出すシーンはさすがにタカラ側からかなり怒られた、と言う話らしい(笑)

主役:オプティマスプライム
トランスフォーマー アニメイテッド 2007年〜
今現在でTFシリーズのTV最新作であり、最終作品である。
今までの3DCG作品だったモノとは違い、全編セルアニメ。だからアニメイテッドと呼称される。
おりしも当時、トランスフォーマーの実写映画が発表され、それと一線を画す企画としてアニメ番組が放映された、とも言える。実写映画はムービー、TVアニメはアニメイテッド、と言う事だ。
しかしぬるぬる動くセルアニメではあるが、今作品も殆ど日本が作画を担当し、玩具金型もタカラトミーが担当。
つまり昔と殆ど変わらずの純日本作品(物語の脚本等はアメリカが担当)とも言えるだろう。
作風はどちらかと言えばやはりコミカルな作品で、実写とは違いより一層子供向けに製作されている。
日本の吹き替えはやはりあの男、岩浪美和(男ですw)が担当。前作ビーストに登場した声優も形を変え(あるキャラクターは形を変えないで)ゲストとして出演する様は、ある意味ビーストウォーズ同窓会とも言える状況だったと思う。
因みにアニメイテッドは実写を受けての企画なので、今まで日本でのキーワード(サイバトロン・デストロンコンボイ)は廃され、サイバトロンはオートボットデストロンディセプティコンコンボイオプティマスプライムと改名させられた。もし今後、新しい作品が作られるのなら、キーワードはこれで統一される事になるだろう。
しかしそんな風にされた腹いせか、第一話のプライム&バンブルビーの掛け合いでは
ビー「オプティマスプライムって長いよね? コンボイでいいじゃん!」
プライム「それは……駄目、かな」
等とギャグにしているトコロはさすが岩浪、と思える描写である(笑)


そして、2011年現在、新しいTFのTV作品の予定は今の所、無い。


と言う感じで駆け足でTV作品を解説していきました。
皆さんはどんな作品が心に残ってるかな。
それではまた〜。