世界観

作り方は正直分かりませんw

☆軍備の縮小と宇宙進出
20世紀終わりに、東西対決はソビエトの瓦解と言う結果により終結した。人類が次のステップに至るにあたって、宇宙進出を目的とした太陽系開発へと目が向けられていく。その過程で国家間の垣根は次第に薄くなり、軍備は縮小、名実と共に地球連合が成立していく。そして西暦と言う呼称は連合地球暦へと変遷していった。
まず宇宙開発へ至るのに必要な人類の総合プロジェクト、ORS(オービタルリングシステム)の開発が加速する。大量の化学燃料を消耗して宇宙へ進出するにはコストも危険性も無視出来ない。そこで人類の叡智の集結とも言えるこのシステムにより、一般人でも容易に宇宙へと行く事が出来る様になった。
国家間の争いは完全に無くなった訳では無いが、地球連合の成立と共に組織された連合地球防衛軍の規模自体は東西冷戦の全米軍とほぼ同等とも言える程に縮小されており、その戦闘能力自体もまた同様である。宇宙開発が加速していく中で、地球全土において軍の必要性を欠いていく事となっていった。


☆ORS(オービタルリングシステム)
 地上約300km上空に展開された巨大構築物、それがオービタルリングシステムである。それは、地球を中心にして環状に、囲む様に設置された長大な人工衛星と言えるだろう。大型宇宙船発着宇宙港、宇宙船建造ブロック、工業ブロック、科学研究開発ブロック、居住ブロックや商業ブロックと、宇宙軍指令部等が内包され、科学技術の最先端であるORS自体が一つの国家であり都市とも言える規模へと拡張されていく。
ORSと地球との行き来を実現させたのは軌道エレベーターと呼ばれる巨大なパイプである。それは8本存在し、洋上と接続されおり、地球の自転と同調し24時間で一周する。オービタルパイプとも呼ばれるその構築物は、地球引力と回転による遠心力とをバランスさせる為、ORSとの接合ポイントで約30km反対側(宇宙へ向かう方向)に伸びているのが特徴。
端的に言えば、ORSから垂らした蜘蛛の糸を洋上のエレベーター施設に接続させているだけ、とも言える。巨大な塔の様にも見える軌道エレベーターではあるが、それは地上から根を生やして建造された訳ではない。軌道エレベーター内には超伝導技術を応用した超高速エレベーターが敷設されており、物資の運輸を容易にさせた。ORSから伸びた洋上の接続部には、ORSポートと呼ばれる施設が建造されており、これは洋上に浮体構造で構成された人工島である。其処にはありとあらゆる施設が建造され、宇宙への玄関口とも言える存在であり、繁栄を極めた場所でもある。
ORSが出現した事により、工業や産業の中心は宇宙へと移されていく。しかし逆を言えば、地上での工業生産力は極端に低下していき、地上は人々の生活圏へと変遷していく。
一般的にORSの存在は宇宙への進出を目的としてはいるが、それだけではない。人類のエネルギー問題に終止符を打った存在でもあった。太陽光は地表に届くまでに、大気の吸収などにより減衰する。またそれは、天候により変化する。しかしORSは大気圏外で発電する事が容易である為、その電力を地上へと供給する事が可能となったのだ。
人類の繁栄はORSによる太陽エネルギーの無限供給によって支えられ、永遠に続くものと思われた。
連合地球暦192年、ラダムの侵略が行われるまでは。

☆ スペースナイツ(外宇宙開発機構)
 スペースナイツとは、地球連合の公式機関である外宇宙開発機構に所属するスペシャルスタッフの呼称である。人類が宇宙に進出するにあたり、あらゆる事前調査やデータ収集を目的とした組織として構成され、来るべき外敵からの侵略に対応するべく、本格的な戦闘経験を積んだ人員によって編成されている。スペースナイツは連合地球防衛軍とは別系列の組織であり、基本的に軍からの命令や干渉を受ける事はない、遊撃隊とも言える存在だ。その本拠地はアメリカグランドキャニオンに設置されており、かつての軍事用宇宙港を再利用した施設を拠点にしている。俗に其処は、スペースナイツ基地と呼称されている。
この基地は、ORSが出現した事で不必要となった地上の軍事宇宙港を外宇宙開発機構が買収したものであると言われている。荒廃した外観でありながら、その内部は都市とも言えるべき程の規模と施設が内包されている。スペースナイツ基地にはそこ彼処に巨大なアンテナが設置されおり、天へと伸びた長大なレール、超伝導カタパルトが設置されているのが特徴である。
 
超伝導カタパルト
旧軍事用宇宙港の再利用である為、スペースナイツ基地には天へと伸びた、長大なレールが設置されている。これは超伝導カタパルトと呼ばれる小型宇宙船等を射出させる為の前時代の宇宙への架け橋である。自然破壊の象徴とも言える科学燃料を使った打ち上げ式ロケットよりも高効率で宇宙へ上がる事が出来た技術でもある。その起動に必要な電力は、太陽光発電衛星からのマイクロウェーブ送信(電力をマイクロ波に還元してエネルギーを送る技術)によって供給されていたが、ORSが出現の折に発電衛星は全て廃され、超伝導カタパルト施設その物も廃棄への道を辿る事になる。
電力供給がストップした現状ではあるが、レール自体の利用は可能である為、多段式ロケットブースターを併用する事で電力に頼らずに宇宙に上る事は可能だが、燃料の確保やブースターの回収等、膨大な経費が掛かる事が前提である。
後に、このカタパルトはスペースナイツ所属の最後の宇宙船、ブルーアース号の発進施設となっていく。