SPTレイズナーMarkⅡについて 後編

模型イベントに行けばまだある…かも

さて前回に続いて今回も書きますよエクシは。
前回の分岐点をお覚えでしょうか? 見てなかったら下に流して見てね。それ見なきゃ今日見ちゃ駄目(笑)


さて、幻の四クールはちょっとうろ覚えですが駆け足で説明しますよ。
あ、その前にこの段階で復活したニューレイズナーはマークⅡになっています。出来たばかりのマークⅡは飛行形態で工房に登場したそうな。形状はどちらかと言えば「マクロス」に出てくる可変戦闘機バルキリーの変形を簡素化したもの。あ、そう言えばこれもガウォーク(ロボットと飛行機の中間状態)形態になれそうだ。
最終決戦時に、ジュリアが刻印を起動させ、宇宙に向かって飛んでいきます。それをマークⅡに乗って護衛するエイジ。
TV・OVA版では、エイジが地球に戻ってくるまでボーっと空を眺める面々と言う感じでした。でも四クールは違います。
グラドス中枢に食い込んだロアンがレジスタンスに寝返り(と言うかそれが目的でグラドスに入っていた)あの地獄の火星から生還したメンバー合わせて六人はロアンが持ってきたトライポッドキャリアー(SPTも搭載出来る大気圏脱出用シャトル)にてエイジを追い掛けるのです。
失脚したル・カインはザカールにてエイジ達を追撃、グラドスの刻印(超巨大円柱型構造物)前で互いにV−MAXを発動させ死闘を繰り広げます。その際、刻印に多大な影響が降りかかります。激しい戦闘の余波で刻印の空間歪曲機構が暴走するのです。
死闘の最中、刻印が発動。しかし、その発動は不完全な物でした。グラドスと地球を断絶するはずが、一時的ではありますがその空間同士を繋げてしまったのです。ル・カインとジュリアは行方不明になり、エイジを含んだレジスタンスチームはグラドス星系まで飛ばされてしまったのです。
何十光年も離れたその距離は現グラドスの技術力を持ってしても一ヶ月も掛かる旅路でしたが、グラドス先住民のオーバーテクノロジーはそれを一瞬で行なったのです。驚愕する一同。しかし、もっと驚愕した事実は、現在のグラドスは内乱状態にあると言うこと。それも軍事国家である政府軍と抵抗勢力の力は拮抗していました。
軍事国家グラドスはそう離れていない他星系にも無慈悲な侵略を行なっていました。侵略は反感を生み、そのタガが一気に外れて革命を起こそうと言う状況にあったのです。実際にはグラドスの中枢軍の一部を地球に派遣してしまった為に、本星の守備力が減退してしまったと言う事実も手伝っていました。しかし、グラドス危急の要請を請けて、派遣軍はもう少しで帰還するという状況。エイジ達は抵抗勢力に協力することにしました。と言うか、その抵抗勢力の中心人物こそ、エイジの父親ケン・アスカだったのです。
政府軍の最重要拠点、グラドス静止軌道上にある小惑星基地、オリジナルステーションの防衛線はかなり強固な物でした。しかし、レイズナーマークⅡと地球製SPTドール二機の参戦で状況は僅かですが抵抗軍に傾きつつあります。乱戦中にレイズナーマークⅡのV−マキシマム(V−MAXの強化版)を発動、中央突破で戦陣を崩しますが、機体の限界で停止、冷却状態に。敵のど真ん中で集中砲火を浴びる絶対絶命の危機を救ったのは何とル・カインのザカールでした!
グラドスの手を離れ、独自の独裁政治を地球で行なおうとしたル・カインはこのグラドス本星では更迭される身分でした。ジュリアの刻印発動時、グラドス本星に飛ばされたル・カインはザカールと共に政府軍に回収され、処分を待つ身でしたが、その間に先住グラドスと地球の関係を調べに調べたのです。結果、グラドス人が全ての人種において頂点に立つ優秀な人種では無い事を知り、更にその様な歪んだ思想が生まれた原初は何だったのかを突き止めました。先住グラドス人が残した神聖マザーコンピューター。全ての裁定はそのコンピューターで行われ、グラドスは軍事国家へ歩んでいったのです。エイジ達も政府軍の中枢にあるそのコンピューターを目指していました。
エイジ「何の真似だ!」
ル・カイン「今だけは手を貸してやる」
行くべき場所、帰る場所が見つからない事からの行動か。しかし、今現在はル・カインのザカールは願っても無い戦力となりました。交互にV−MAXを発動、冷却状態を互いにフォローすると言う戦術で政府軍の戦力をなぎ払っていきます。
ついに政府軍中枢まできた解放軍は軍事国家グラドスを生み出した元凶、先住グラドス人が残したマザーコンピューターにたどり着きます。だだっ広いホールの中心に置いてあったそれは、既に何者かの手により破壊されていました。静かにマークⅡに銃を向けるザカール。ル・カインはロアンにその破壊された機械を調べさせると、それは外装だけのハリボテの様な物だと言うことが分かります。そしてル・カインは重々しく語るのです。
先住グラドス人が遺した神聖マザーコンピューターはとうの昔に打倒されていました。打倒した種族こそル・カインの父や政府軍中枢の軍人達。つまり先住グラドスの導きは既に無く、偏った侵略思想はその種族が生み出した傲慢だったのです。ル・カインはそれを知って憤慨し、ハリボテをザカールのレーザードガンにて打ち砕いたのです。自分には何も、何一つ残っていない。優秀なる血統。選ばれし民の理想的な世界の構築。全ては水泡と、いや、最初から何も無かったのです。ル・カインに残されたのは闘争本能のみ。望むはエイジとの一騎打ちでした。エイジにはル・カインの気持ちが少なからず分かります。自分もグラドスにおいて血の混じった汚らしい人間だと蔑まれ、地球においては実験動物扱いを受けたこともあります。しかし、元を正せばただの人間同士。その空虚な心を受け止める為、一騎打ちに応じます。
蒼き流星と赤き流星のぶつかり合い。レイズナーマークⅡのV−マキシマム発動時間はザカールのV−MAXより僅かではありますが延長されています。しかし、ザカールのV−MAXは止まりません。激しい死闘を見守る解放軍の中で、ロアンだけはある事実に気づきます。
「閣下はV−MAXのリミッターを切っているんだ!」
V−MAXとは機体の限界をぎりぎりまで出力アップさせ、レーザーや物理ダメージすら跳ね返す防護バリア(LCM<レーザー反射剤>パウダーとマグネティックフィールドの併用)を張って突貫攻撃をも可能としたシステム。しかし、機体の限界値を超えたそのシステムは機体暴走を抑える為に一定期間の活動停止と冷却システムを起動させなければなりません。ル・カインはその停止システム、リミッターを切っているのです。
エイジのマークⅡが機体限界を超えついに停止した時、ザカールは止めを刺さんばかりに飛来します。「勝った…!」と思ったその瞬間、ザカールは熱暴走を起こし、機体各所から発火。赤い流星は一つの火の玉になり爆散しました。
その時不可思議な事が起きます。ザカールが爆発し、傷だらけになったル・カインが何かに包まれるような現象を解放軍は目撃するのです。それは行方不明となったジュリアの力でした。ジュリアは静かに語ります。
「私の肉体は刻印の不完全な発動と共に消滅しましたが、私の意識は地球とグラドスの空間にあまねく分散されました。これからは共に歩む二つの種族を私は永遠に見守り続けるつもりです。ル・カイン様は私が連れて行きます。永遠に安らげるように」
そして、エイジに別れを告げると、本当の意味で聖女となったジュリアは二つの星を祝福する様に煌きながら空間に溶ける様に消えていきました。
この場での戦いは終わりました。辺りは焼け野原ですが、女神がこの世界を見守ってくれている。まだ他惑星における政府軍の制圧は終わってはいませんが、エイジや解放軍の面々はジュリアの様な希望の微笑みを絶やさないこと、後の戦いを生き抜く事を改めて誓うのでした。
後年、戦乱は少しづつですが終息していきます。平和主義グループのリーダーは惑星国家共同体の初代元首に任命される事となります。その人物はアルバトル・ナル・エイジ・ステファニー・アスカ。エイジとアンナの絆であるその名は、星と星を結び、星がある限り語り継がれます。蒼き流星の伝説と共に…。


…という話を四クール目、40話から50話台までやるつもりだったらしいのですよ。ちょっとエクシ独自の脚色も入ってます。因みにこの小説は、蒼き流星SPTレイズナーのLD−BOXのライナーノーツに収録されていた公式の物。高橋良輔監督が監修した正式なレイズナー物語です。それをボトムズギルドと言う同人サークルが同人誌にて復刊したもの。つーか無許可?(笑)まあレイズナーのLD−BOX今更買う気にはなれないしね。復刊していただいて有り難い事です。
兎に角、まあそういう長いスパンでなければマークⅡを活躍させる事は出来なかったでしょう。四クール目が製作出来ない今、こう言った資料はかなり貴重だと考えます。今後、レイズナー独自の物語をゲーム等で展開させるならば、まずOVA版エンドを体験させ、その後四クールエンドをプレイさせるようなゲームが出来て欲しいと常々願っています。
クソゲーでもいーからさー頼むよバンダイ。また呪ってやる(笑)
それではまた〜。