SPTレイズナーMarkⅡについて 前編

…ちょっと痩せた?

今日はSPT講座のエクシです。
さて、レイズナーマークⅡと言うものがあります。しかし、テレビでは出ていません。何故か。
まず、前回辺りに「蒼き流星SPTレイズナー」という番組は打ち切りになったと言うことを書きましたっけ。本当は四クール(50話から52話)あった番組枠が38話つまり三クール(一クールは大体13話)まで届かずに終了されてしまったのです。
ライバルのル・カインが乗る敵SPTザカールにレイズナーはボロクソにされてレイズナーは再起不能にされてしまいます。これが大体三クール終了間際でした。そして侵略者グラドスの技術と地球の科学力が結集されてニューレイズナーが作られるのです。つまり、序盤から活躍していたレイズナー本体は、搭載コンピューターレイと裏の搭載コンピューターフォロンを除いて破棄されるわけですね。全く新しいレイズナー。それは主人公エイジや地球人にとってシンボル的な存在だったのです。
異星人グラドスと地球人は実は祖を同じくする種族だったと言うことをフォロンから聞かされたエイジは、混血児である自分とグラドス・地球の技術で作られたレイズナーを二つの種族を結ぶ平和の象徴にしたかったのです。
しかし、作品的にも現実的にもそれは許されませんでした。レイズナーは中盤辺りでスポンサーの三洋電気が事故を起こしてスポンサーを降板、更に関連商品の売れ行きは伸び悩む。三クールで打ち切りが決定し、軌道修正をスタッフは余儀なくされました。
中盤辺りで既に企画段階に起こしていたレイズナーマークⅡは、そのフォルムや形状・運用方法においてノーマルレイズナーとは全く別物でした。因みにこれが変形形態。

当時サンライズでも同じようなZガンダムがありました。序盤は無変形MS、後半から変形MSが登場する感じ。レイズナーに限って、それは出せませんでした。何故だと思いますか? それは打ち切りになった理由と密接な関連があります。その前に大筋の粗筋を。長くなるぞう。


1996年、エイジがコズミックカルチャークラブのメンバーの生き残り、デビット・アーサー・ロアン・シモーヌ・アンナ・エリザベスの六人と共に、侵略者グラドスの包囲網を突破して地球への奇跡的な帰還を果たします。地球とグラドスが全面戦争になった後、地球軍はほぼ壊滅し、残るは彼ら七人とSPT三機だけ。第一陣を何とか退けたものの、他のメンバーと救う為、エイジはレイズナーに搭載されたV−MAXで敵陣の中央突破を敢行、巨大な爆発の後、エイジの動向は全く分からなくなります。
1999年、グラドスにより地球は占領され、劣等民族の如く地球人は扱われます。デビット・シモーヌレジスタンスの戦闘員に、アンナはレジスタンスに身を投じながらも平和を説くシンボル的な存在に。アーサーはグラドスの下請け職をしつつ情報を漏らすスパイに。ロアンだけはグラドスの中心に食い込む様に才能を発揮してのし上がっていきます。デビット達が反抗作戦中にグラドス軍に捕らえられ、処刑寸前に逞しくなったエイジがレイズナーと共に飛来、アンナ達を救い再会を果たします。ようやく反撃の狼煙を上げるきっかけを地球人達は掴むのでした。
因みに、エイジは日本の飛鳥寺遺跡辺り(笑)で修行していたとか言う誠しやかな噂が流れましたが、実際にはグラドス軍との決戦の後、中国のレジスタンスチームに保護され護身術やトンファーの扱いを修行したそうです。
さて、後半からクスコの遺跡と言う物が出てきます。その遺跡はナスカの地上絵等に代表される物ですが、先住グラドス人の紋章こそナスカの地上絵そのものでした。種としての限界を迎えた先住グラドス人は宇宙開拓時に地球を発見し、逞しい生き方をしている原始時代の地球人の生命核を採取しました。その生命核を基本としたのが現在のグラドス人だったという事なのです。そして、先住グラドスの民は再びグラドスと地球が出会った時、無慈悲な戦争が起きないようにある安全装置を地球に残します。空間歪曲機グラドスの刻印、それはグラドスの宇宙と地球の宇宙を文字通り空間歪曲させて閉鎖してしまうと言う物。


ここからは分岐点です。ちょっと覚えておいてね。


テレビ・OVAの方はクスコの聖女、エイジの姉でもあるジュリアの手によってその装置は発動され、グラドスと地球は永久に断絶される事になります。エイジは地球に帰還し、地球に残された少数のグラドス人と地球人の仲を取り持つという使命が待っていると言うことで終了しました。でも…そりゃ無理だろ?ねーちゃんみたいな。侵略を受けた三年間は地球人にとって文化や生活を疲弊させた屈辱の占領期間。少数のグラドス人なんて即行で殺されちゃうと思うんだが。無茶な注文つけるなぁジュリアねーちゃん。
グラドスの刻印を発動させて星と星の国交を断絶させたのは間違いなくエイジ達兄弟にとっては「敗北」でした。自分達が星と星を結ぶ絆になりたかったと言うのに、レジスタンスとグラドスの闘争は果てが無い。もう限界まで達していた末の判断だったのです。つまり、星と星の和睦は成されず、敗北のまま終わると言うのがテレビ・OVAの結果だったのです。


さて、その中で登場する復活のニューレイズナーは旧レイズナーとは全く別物になってしまいましたが、フォルムは少なからず継承され後には「強化型レイズナー」と呼ばれる事になります。

右がノーマルレイズナー、左が強化型レイズナー
これはあくまでも推測ですが、レイズナーマークⅡの企画は早い段階で出来ていたにも関わらず、活躍させる場が最終回とOVAだけでは余りにも視聴者の混乱を招くのではないかと言うことが挙げられます。まあ終盤にいきなり出てきて圧倒的な力で蹂躙するレイズナーマークⅡを見てみたかったとは思いますよエクシも。しかし、裏事情は更に過酷な物で、三クールまでやらせてくれるはずが38話までしか放送できなくなってしまった。残りの一話すら放映する事が出来なくなり、結局OVAでの補填と言う状況になったのです。その短いスパンの映像で、マークⅡを出しても正直余り良い結果に繋がらないとスタッフは判断したのだと思います。
結果として、三クールで打ち切りが決まった段階でレイズナーマークⅡはお蔵入りになったのです。そしてその代替デザインがレイズナー強化型だということなのです。うーん、これはかなり勿体無いよね。
ちょっと長くなりすぎたので、次回の日記に幻の四クール目をアップします。待っててね?
それではまた〜。