巨匠逝く

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今日はちょっと悲しいエクシです。
ダイナミックプロ、所謂永井豪先生のアシスタントだった石川賢先生が心不全で58歳と言う若さでお亡くなりになりました。
永井豪氏といえばアニメ「マジンガーZ」や「ゲッターロボ」でかなり有名な方ではありますが、石川賢氏は一般で言えばそれ程有名ではないかもしれません。しかし、永井豪氏の描線を知り尽くし、永井氏の原案を漫画や劇画に起こすのは一般に彼の仕事だったと思われます。
漫画版ゲッターロボと言えば永井豪氏が原作をしていますが、永井氏が漫画を描く事はありませんでした。なので自分的には「ゲッターロボ」と言えば石川賢氏と言うような認識になります。
永井氏と石川氏は(初期の)描線は似ていても基本的に違う事があります。永井氏はどちらかと言えばHな描写を好みとし、石川氏はバイオレンスを中心とした動きの良い描写をします。悪く言えば永井氏は下品な描写が好きで、石川氏は粗い作画を好みます。似ているようで違う、それでいて少年漫画としての方向性はどちら共必要な表現。本来アシスタントとして永井氏のプロダクションに入った石川氏ですが、永井氏は石川氏の事を弟子とは思っておらず、戦友であり仲間であり最大の味方、親友としての付き合い方をしていたそうです。永井氏の悲しみは幾ばかりでしょうか。


初めて石川氏オンリーの作品を見たのは徳間書店「キャプテン」で連載していた虚無戦記シリーズ。徳川時代の初期、当初は忍術物だと思われていましたが、物語が進むにつれ宇宙を飲み込む邪悪な生物ドグラとそれを阻む為に戦う善なる神(だっけ?)ミロクとの壮大な銀河大戦を描く物語に発展。と言うか、それ以前から描かれていた虚無戦記シリーズの外伝の様な物だと気付いたのは結構後になっての事。結局終了する事はありませんでしたが、そのバイオレンス描写と迫力には当時度肝を抜かれましたっけ。
正直な話、永井氏の絵柄はそんなに好きなものではなく、どちらかと言えば石川氏の絵柄の方がエクシは好きでした。漫画家と言う職業は健康管理が出来にくい仕事でもあります。時々漫画家の訃報を聞く事がある時、少なからずショックを受ける事があります。描き続ける事は漫画家と言う職業において終わり無きランニングのような物だと思う今日この頃。今までに亡くなった漫画家の単行本等を取り出すとどうしょうもない感慨にふける事もあります。ああ、もうこの人の新しい作品は見れないんだな、と。
今年は何故か知りませんが訃報が相次ぎます。知っている方、声優や漫画家、玩具の原型氏まで亡くなる年です。出来ればもう知っている方が亡くならないで欲しいと祈るエクシです。
石川賢先生のご冥福を深くお祈り申し上げます。
それではまた。