栄光無き会社たち

タルカス小さいよ小さいよタルカス

えー、今回は会社の事について語るエクシですよ。
今回の玩具は全くマイナーだけど、それでいて結構レアな人気の「特装機兵ドルバック」と言うシリーズ。アニメ製作は葦プロ、所謂株式会社葦プロダクション。1983年の作品です。丁度ボトムズの放映期間とかぶっているのが面白い。
最近バンダイナムコと提携していたようですが、うまみが無いと知ったバンダイは早々に資本を打ち切って今会社内は混迷中てな感じらしい。因みにカナメプロダクション(主にOVA作品の多い会社)と言うアニメ会社はこの葦プロからの人材流出によって成立した会社で、葦プロとしてはかなりのダメージになり、大幅に会社としてやりにくくなってしまった原因でもあります。まあダンクーガとかのリバイバルもやるみたいなので、もっと頑張って欲しいものです。キツイかもしれんけど。
さて、ドルバックに話を戻しますがはてなでは「特装騎兵ドルバック」になってるみたい。騎兵じゃなくて機兵ね。間違いを訂正しようと思ったけど出来なかった。メールしようかな。
物語はぶっちゃけると異星人が攻めてきて、特殊部隊所属の主人公が新型兵器に乗って撃退していくいつものパターンかな。ただ兵器の描写がとても良かったと言う事が挙げられます。架空の兵器でありながら、現代兵器にどこかしら似ている、大幅な違いがそんなに目立たないと言うことがその要因と言えるでしょう。メカにしても、バギー、戦車、戦闘ヘリが各々ロボットになると言うどこかしらトランスフォーマーを彷彿させる作品でした。
しかし、主人公の乗るジープがロボットになる無限キャリバーという機体は、縮尺が変で模型や玩具のサイズがどう考えても車と言うより超巨大トラックだった(因みに非戦闘時には普通のバギーサイズ)り、あまつさえ無茶苦茶カッコ悪いパワーアップ(通称コンバットキャリバーの事。タカトクがデザイン)を受けたりとかなり微妙でした。強化装甲とその無茶なパワーアップを受けていながら、バギー形態にもなれると言う駄目設定が微妙にファンの心情を損ねたのは言うまでも無かったりして。他の二機にしても革新的とは言えますが、微妙な地味さが拭いきれない。その作品の顔とも言うべき主役ロボがこれじゃ売れないっスよ。
主人公の声に古谷徹ガンダムアムロの声)を当てたり、戦車型ロボのパイロットが戦死して交代したりと色々売れる様な要素を盛り込んでいながら、放送局がテレビ東京、ストーリー展開がかなり地味だったのが惜しい。全36話でDVDもオークションで入手していますが中盤から見るのがつらくなって未だ全話見ていません。つーか寝ちゃう(笑)うーん何が駄目なんだろう? ボトムズは見ていて全く退屈しないのに。魅力あるキャラクターがイマイチ不足だった事、物語の構成が微妙、重要キャラクタの戦死と言う描写もあっさりしていて面白みが無い。ピエール(戦車のパイロットね)が死ぬ描写が余りにもスカスカだったので何でここで死ぬ必要があるのかと疑問符が浮かんだりした。声優さんの不都合とか色々噂もありますけど、やっぱりストーリーを盛り上がらせようとして失敗しちゃったと言う事かもしれませんね。
しかし、設定の書き込みは多分リアルロボット中、ボトムズに次いで良い出来だったと思います。ロボットや兵器の設定書と言うのはアニメーターが理解し易い様に書くのが通例ですが、この作品の設定書は正直こんなにいらんわいってくらいの内容の濃さ。おかげで設定書にありながら使われていない未使用の武器等がわんさとあったりして大変な事に。まあそれが後で発売されたプラモデルの方向性を決めたとも言えますが。
設定が良いのにも関わらず、微妙にそれをアニメの中で生かせないのは多分葦プロの限界と言うか、その前の年に人材流出があったのが多分仇になっている可能性があると思われます。その後も1995年にXEBECや1998年に設立したアクタスと、人材流出が次々と続き大丈夫なのか葦プロと視聴者から心配される様な現在だったりします。今年には「ダンクーガノヴァ」が放映されるらしいですよ。売れるのか本当に。雇用形態に問題あるんじゃね?
因みに主役機であるヴァリアブルマシン三機より、歩兵用のパワードスーツ、ノーブとかハークとかの方が断然人気があったりしたのはかなり皮肉な話でしょう。放映終了後に発売されたパワードアーマーのバリエーションの多さは異常でしたね。因みにこんな奴。

うすね正俊のコンバットドールを彷彿させますが、元はと言えばホビージャパンが企画した架空戦争兵器S.F.3.D.のマシーネンクリーガーが元ネタ。サイズにしてもデザインにしてもかなりクリソツ、しかし両者に関連性は全く無いのでよく訴訟問題とか起きなかったなぁとか思ったりして(笑)
さて、まあこの作品自体が別に打ち切りでもなんでもないのですが、一応三クールを終えて商品展開もそこそこ行われてなおこのマイナーさは結構珍しいと言えるでしょう。今じゃロボットアニメとは思えない主題歌しか覚えていないって人が多かったり。ドルバックの主題歌は知ってるけどどんな話かは全く知らないって人がかなり多い。とても不遇な作品だと言えます。葦プロの作品はサンライズ程のメジャーさを獲得出来ない傾向がかなりありますが、これは商品展開とか、タイアップとかも微妙に下手糞だからだけではありません。プラモデルは番組放映後に売れる様な状況、スポンサーであるタカトクトイスは放映中に倒産などの不確定要素は確かにありますが、やはり作り手の人材が余りにも不足していたとエクシは結論づけます。カッコ良い兵器がわんさか出ているのにも関わらず、リアルロボットでのめり込めない作品ってかなり珍しい。兵器で萌えられるのに、物語やキャラクターで燃えれない、そう言ったとてもとても惜しい作品。そんな作品ばかりで可哀想な葦プロは、栄光無き会社の一つだと言えるでしょうね。まだ何とか潰れずにやっている葦プロに、皆さん愛の手をお願いします(笑)あ、玩具に関してはまた今度ね。
それではまた〜。