ブレードそれちがっ(笑)

改めて見るとその壮絶さにやられるエクシです。
宇宙の騎士テッカマンブレード」は前作の「宇宙の騎士テッカマン」とは何の関連性もないオリジナルSFアニメ。1992年2月から翌年の2月まで放映されたタツノコプロ作品で、その圧倒的な演出と壮絶に暗い物語が当時話題を呼びました。
全体の展開の骨子も非常に良く練り上げられている反面、番組序盤はスポンサーからの出資が足りないのか作画が安定せず、バンクシーンばかりでファンが離れたり、作画安定した後にまた戻ってきたりと各話の作画レベルが上がったり下がったりしてとても忙しいアニメでした。四クールアニメではよく言われる事で、作画監督が変わる度にメインキャラの顔が別人になってしまいがちですが、この作品ではそれがとても顕著で、毎回主人公が別人になってしまい着ている服でキャラを判断するアニメなんて揶揄されてしまう程だったりして(笑)

宇宙の騎士テッカマンブレード 粗筋 前編
連合地球暦192年。人類は謎の宇宙生命体に襲撃され、地上と宇宙を繋ぐ軌道エレベーター並びに地球軌道をリング状に囲む軌道ステーションオービタルリングを占拠されてしまう。宇宙生命体は地球上のあらゆる武器を物ともせず、攻め込もうにも地球から宇宙へ行く事も出来ない。オービタルリングに装備されたレーザー兵器は人口の約半分以上を業火に晒し、更に宇宙生命体は地球に降り立ち侵略行動を続ける。連合軍は何とかオービタルリングに攻め込もうとするが、度重なる敗退で唯一のスペースプレーンは外宇宙開発機構が所有するブルーアース号のみとなってしまう。その外宇宙開発機構所属のノアル、そしてアキは空から降ってきたある男を保護する。この男こそ後にDボゥイ(度重なる無茶を行うデンジャラスボゥイ)と呼ばれ、唯一宇宙生命体「ラダム」に対抗できる力を持つ者、テッカマンブレードだったのだ。Dボゥイは自らの記憶を失っていると言うが、ラダムに対する感情は怒りしかない。無慈悲に侵略行為を行うラダム生命体を次々と屠るDボゥイだったが、ラダムにもテッカマンが存在すると言う事が判明、テッカマンダガーと呼称される者はブレードを裏切り者とする。卑劣なダガーにより一時はテックセット(テッカマンになる為の変身行為)出来なくなるが、機動兵ペガスを用いる事で再びブレードになったDボゥイはダガーを必殺技ボルテッカ反物質粒子砲。物質は反物質に触れると対消滅すると言う事を利用した絶対兵器)により倒す事に成功するのだった。
外宇宙開発機構はスペースナイツと呼称を変更し、ラダム対抗組織の一員としてノアル、アキ同様に登録されたDボゥイだったが、過去の事は依然として寡黙を通しテッカマンとなった時は激情と共にラダムを屠る。彼の過去には何が隠されているのだろうか? 侵略者ラダムの正体は? 
物語はDボゥイの妹ミユキが登場すると急速に加速する。30分間のリミットを越えるとブレードは自らの意識を無くし、ラダムの本能が突出し破壊衝動に駆られてしまうが、これは彼がテックシステムに取り込まれた時にラダムの本能や知識を植えつけられた、もしくはコピーされた影響であった。悪魔の技術テックシステム。それは別の生命体を感知すると自動的にその生命体を取り込み、ラダム人になるべく身体機能をフォーマットするシステムだった。Dボゥイこと相羽タカヤや妹ミユキ、宿敵テッカマンエビルになった弟のシンヤはそのシステムに取り込まれ改造されてしまったのである。Dボゥイが相羽タカヤの名を捨て、記憶を失ったと周囲に見せかけたのは過去との決別の顕れだったのだ。
外宇宙探査船のアルゴス号に乗った相羽一家は異星文明との遭遇でラダム人にされ、地球侵略の尖兵として送り込まれたのである。Dボゥイがその尖兵の一員にならなかったのは、父孝三が救出してくれたからだったが、孝三はいち早くテックシステムから排除された人間だった。体質からラダム人になるには不適合とされる者はシステムから排除され、急激な調整により長く生きる事が出来なくなる。更に調整に成功したのはほんの一握りの者達だった。Dボゥイの妹ミユキも実はこの排除されたテッカマンである為、長く生きる事が出来ない。後数日の命しかないミユキはエビルや覚醒したテッカマン、ランス・アックス・ソードの襲撃により仲間であるスペースナイツの者達を守る為に自爆ボルテッカでDボゥイの前で散華する。この事でスペースナイツは一時崩壊を迎える事となった。
行方不明となっていたDボゥイは半年後、スペースナイツクルーと再会を果たす。Dボゥイはこの半年、敵テッカマンをずっと追い続けていた。敵テッカマンからテックセットする為のクリスタルを奪う為だ。クリスタルは未知の物質で構成され、テッカマンがクリスタルの反物質フィールドを利用すると爆発的な推進力を得る事が出来る。ミユキの持っていたクリスタルの欠片だけでも衛星軌道上に一瞬で到達してしまうほどの力だった。ミユキからラダムの本拠地は月の裏側だと教えられたDボゥイは、ラダム打倒の為にずっとクリスタルを奪う旅をしていたのであった。
Dボゥイ探索と世界の様相の調査の為にスペースナイツチームは万能居住トレーラー、グリーンアース号で任務を遂行中だった。Dボゥイと再会を果たすクルー達の中でも数々の戦いで心を通わせあったアキと出会えた事は何よりDボゥイの心の支えとなる。
新生したスペースナイツ基地に向かう途中でDボゥイとシンヤの元格闘技師匠であるゴダードテッカマンアックスとの決戦を迎え見事討ち果たしはしたが、自爆ボルテッカによりクリスタルは回収できなくなる。度重なる戦いとテックセットによりDボゥイの身体は疲れ果て、更に完全なテックシステム調整を受けきっていないDボゥイはある意味、不完全なテッカマンだった。ラダムの襲撃を受け、何とかソルテッカマン(地球側がテッカマンボルテッカを研究した末に完成したパワードスーツの呼称)で撃破した物の、Dボゥイは力尽き倒れてしまう。アラスカにある新生スペースナイツ基地に辿り着いた一行は急遽Dボゥイを治療、何とか一命を取り留めたがもうテッカマンになる事が出来ないと宣告される。自分の家族を改造、洗脳、死に追いやったラダムを許す事が出来ないDボゥイは諦める事が出来ず、チーフであるフリーマンにもう一度テッカマンになれないか詰め寄る。フリーマンはラダムの襲撃からずっとラダムの生態を調査し、その権威でもあったからだ。ラダムは侵略が一段落すると巨大虫状形態から根を地面に植え付けラダム樹へと変態する。「ラダム樹が花開く時、ラダムの侵略は完了する」その言葉の本質が分からぬままミユキはスペースナイツにラダムの性質を伝える。そしてスペースナイツ基地の実験室で早咲きし、人間を取り込んだラダム樹を見つけたDボゥイは、そのラダム樹からもう一度テッカマンになりたいとフリーマンに頼むのだった。
フリーマンはテッカマンの性質を解析していくと、進化した超人であるテッカマンにはまだ更に進化する余地があると結論づける。爆発的な進化である通称ブラスター化はテッカマンブレードを更に強化する事が出来るが、寿命を縮める結果となる諸刃の剣でもあった。一年の寿命になると宣告されるDボゥイだったが、ブラスターになる為の調整を受ける決意をする。
スペースナイツ基地を見つけたテッカマンランスであるモロトフは単独で侵入、スペースナイツ員を次々と殺害し調整中のブレードを追い詰めるが、仲間の機転により調整は終了、見事復活を果たす。それは翼をはためかせる白鳥の如き美しい姿でありながら、怒りの鬼神でもあった。
http://www.youtube.com/watch?v=CLKEfQOg1Xk&NR
ブラスターテッカマンブレードとなったDボゥイは、ランスにボルテッカを至近距離で撃ち込まれるが、全くの無傷。圧倒され逃げに入るランスにブラスターブレードボルテッカを放つ。ブラスターボルテッカと呼ばれるその技は、周囲の地形を変えてしまう程の威力を持ち、一方向にしか撃てなかった通常ボルテッカとは違い全方位に放つ事が出来る究極のボルテッカだった。なす術も無く一瞬で消し飛ぶランス。
帰還したDボゥイはブラスター化の副作用により一時盲目になってしまうが、後の検査の結果身体状態は極めて良好との診断結果が出る。不完全なテッカマンであるDボゥイは、不完全なブラスター化をする事で全身の組織崩壊が起こらなかったのだ。
Dボゥイの生還に喜ぶ一同だったが、彼の「俺をDボゥイと呼んでいる? いつからそんな事を言い始めたんだ」と言う発言により再び綿密な検査を行うことになった。再診断の結果、記憶の混乱では無く完全に忘却する症状に捉われる事となったDボゥイ。全身の生体組織が崩壊を起こす症状が、脳内の記憶中枢に集中してしまったのだ。戦闘中、ブラスター化する事で彼の記憶から欠落する様に思い出が零れ落ちていく。そんな中で戦いを支え続けなければならないアキ。残りのテッカマンは後三人。戦いは最終局面を迎えようとしていた。


長っ! あらすじだけでこの状態ですかい。そう言えばエビルのシンヤ役って「天空戦記シュラト」で夜叉王ガイをやった子安武人さんですね。キャラ全く変わってない事(転生する前は主人公と仲の良い親友で、敵に洗脳されたら残忍な宿敵となる)に当時は吹いたっけ(笑)あ、そういや「覇王大系リューナイト」のOVAでも宿敵役やってたかな。だからこの時の子安と言うか、今現在でもエクシの中では「死ねぇ! シュラト!」とか「死ねぇ! ブレード!」とか「死ねぇ! 封印の魔女!」とかだったりするので、余り良いイメージが湧かなかったりして〜(笑)ビーストウォーズやった後は巷では「僕らの変態キング子安武人が帰ってきた!」とか言われてるらしいですが(笑)変態キングってどういうことさ。
まあ兎に角、家族を洗脳されたり妹をいたぶられ刺し殺されたり自身が何度も死の淵を彷徨ったり果ては暴走したりで、究極に悪い運を持つ主人公だったと思います。これに比べたら電王の良太郎君なんてかなり幸せだね(笑)それでも強い意志を持ってラダムに立ち向かうDボゥイの姿に当時は、今でも心をざわつかせられます。龍騎もかなり追い詰められていた物語でしたけど、これはそれ以上に突き抜けまくっていた作品でしたね。タツノコ作品でこれ程暗い作品も無かったと思われます。
写真はペガスがどうしても欲しかったのでセイザーさんの戦艦に代役を頼みました。ハイコートボルテッカも再現率ばっちりです(笑)

どうでしたか? 少しは暗さとかが分かっていただければ幸い(笑)です。最終局面の後編もやろうかなぁ……。
それではまた〜。