泣くしかねぇよぅ・・・・・

またブレードネタで日々を過ごすエクシです。
前回の続き、最終決戦まで。今回もダイジェスト風に駆け足で説明していきますが、中でも秀逸な「時の止まった家」と「壮烈!エビル死す」をちょこちょこ書いていきましょう。大学時代のMA君が「タイトルで言っちゃ駄目だろう!」とか言ってたっけ。Gガンダムでも「マスターアジア暁に死す」とか言ってもらっちゃ困るよみたいな感じがあるよね。予告でネタバレイクナイ(笑)

宇宙の騎士テッカマンブレード 粗筋 中編
ブラスター化に成功したDボゥイ。筋力を極限まで鍛え上げたシンヤ=テッカマンエビルにも一時は遅れを取るが、圧倒的なブラスターの力で一蹴する。月のラダム基地に帰還し兄ケンゴ=テッカマンオメガに詰問するシンヤ。テッカマンにはまだ進化の余地があることを知るとシンヤもブラスター化してタカヤに挑戦したいと願う。ケンゴは強くそれを禁じる。放っておいてもブレードはいずれ自滅すると思ったからだ。ブラスター化はラダムにとって脅威となる敵に対しての最終決戦仕様だと言える。ラダム侵略総司令官としてエビルを失う事は計画を大きく後退させる、と言うよりその強い戒めは兄の優しさと厳しさそのものであった。シンヤからクリスタルを取り上げ、幽閉球に閉じ込めるケンゴ。
「出してくれ!出してくれ兄さん!タカヤが死ぬというなら尚更今決着をつけなければならないんだ!もうタカヤに負けるのは嫌なんだ……兄さぁーーーん!!」
戦う度に記憶を無くしてしまうと言う不確定要素を持ったDボゥイだが、ラダム樹の花が開くのに時間は無い。スペースナイツは迅速に月ラダム基地に進軍する必要があった。オービタルリング内のラダム獣を掃討しスペースポートを確保しなければならないが、フォン・リー=テッカマンソードの妨害によりスペースポートは消滅(実際にはブラスターボルテッカによる影響)してしまう。Dボゥイ達は地球から月を目指さなくてはならなくなった。
オービタルリングの復旧作業は難航していた。衛星放送が復旧すれば地上の人々に避難を勧告できるのだが、思いの他損傷が酷いため、スペースナイツはブルーアース号で世界各地に避難を勧告すると言う地道な作業に追われていた。アジアでの避難勧告作業を終える間際、Dボゥイはアキに日本に立ち寄るように頼む。行き先は知らないが、二人だけの時間を共有できるアキは喜びに心が躍った。
ラダム樹により半壊しかけたその家には「AIBA」と書かれた表札があった。Dボゥイの実家である。動揺するアキ。終始陰鬱としたDボゥイの表情を目にして基地に帰る様に言うアキだったが、思い出を一つ一つ噛み締めるように家を見せていくDボゥイ。リビングにある父の書斎にあるパイプ、妹ミユキの部屋でのミユキの幻影。父の死に様、ミユキの最後を思い出し、震え出すDボゥイ。そのとてつもない自虐的な行為を止めるアキ。思い出がDボゥイを苦しめるだけだからだが、そんなアキにDボゥイは何も言わずに付いてきて欲しいと懇願する。一人では寂しすぎるから。
心が傷だらけになっていくDボゥイが次に目指したのはシンヤの部屋だった。そのドアを開けると現状を顕す様にラダム樹に破壊されている。部屋とはいえないその様相を目にして戦慄するDボゥイ。外に出てしまったDボゥイは庭木を目にすると焦る様に目指す。木の根元にシンヤと二人で埋めたタイムカプセルがあると言うのだ。10歳の頃に埋めたそのタイムカプセルには様々な玩具、宝物が入っている。泥だらけになって最後に手にした物は……ボイスレコーダーだった。ONボタンを押すとあどけない子供の頃のシンヤの声が聞こえてくる。20歳になった兄に呼び掛けるその無邪気な声はDボゥイの心により一層突き刺さる。喧嘩してはいないか。身体は無事であるか。しかしどれだけ時を経ても、自分がタカヤを好きである事に変わりは無い。過去からの呼び掛けに胸が張り裂けそうになり涙が零れ落ちる。アキは未だにその本意が分からなかった。彼が何故こんな自分を傷つける事をするのか。
「思い出せるならまだいいさ……まだシンヤの事も、ミユキの事も思い出せる。その思い出がある限り、俺はラダムを憎み続けられる。俺はラダムと戦える!!」
憎しみを忘れない為に思い出を追い求める。ようやくその真意を知ったアキはDボゥイが救われる事を心から祈るのだった。
電気が止まった暗いリビング。簡易燃料の小さな炎でコーヒーを作るDボゥイはとても素直な心になっていた。ラダムに取り込まれた家族を自分の手で殺す……そん宿命を背負いたくなかったと。そんな彼に、アキが自分は無力だと思い知る。ここにDボゥイがどんな胸中で来たのか分からなかったから。しかし、アキがいてくれたからこの家の思い出に触れる事が出来た。アキが支えてくれなければここまで来れなかった。アキの事は絶対に忘れたくないと告白するDボゥイ。闇の中でゆっくりと心と身体を重ね、新たな思い出を残す二人であった。

その頃、ブラスターの脅威に戦慄したフォンはオメガが基地と同化(ラダム母艦修復作業に意識を集中させなければならない為、仮死状態となる)するとシンヤをタカヤにぶつける事を画策する。シンヤの寿命がブラスター化で著しく短くなる事を分かっていながら行うその行動は、ケンゴを愛するが故であった。どんな犠牲があってもケンゴを守る。そしてシンヤもタカヤとの決着が付けられれば後の事等どうでも良かった。強烈な兄へのコンプレックス。どんな犠牲があってもタカヤを越えるのはシンヤの永遠の望みでもあったからだ。ブラスター化をゆっくりと行うその表情は来るべき最終戦への期待と羨望であった。
以前、Dボゥイのクリスタルを割った干渉スペクトル装置の研究をようやく完成させたフリーマンは、ソルテッカマンに干渉スペクトル砲にして搭載、最終戦への準備を完了させた。丁度その時、シンヤのブラスター化の調整が終わるが、組織崩壊により自力での地球への降下は不可能と判断。精神感応にてDボゥイをオービタルリングへと呼び出す。追随するアキ。ノアルと元連合軍でソルテッカマンを駆った事があるバルザックはブルーアース号で月を目指す。未だに月を目指す戦力がある事に動揺したソードは急遽迎撃に向かうのだった。ソードの猛襲に次々と破損するブルーアース号。バルザックは干渉スペクトル砲を搭載したソルテッカマンで船外へ、ソードの早い動きに翻弄されつつもスペクトル砲を命中させる事が出来た。干渉スペクトルシステムとは、光から物質変換して鎧を構成するテックシステムに更に別の特殊光を当てて変身を妨害するシステム。宇宙で強制解除されれば生身の人間は死ぬしかない。しかしテックセット強制解除が行われるはずが、ケンゴへの愛情、執念によりソードは攻撃を続ける。何とか取り付いたソードに砲を撃ち込むバルザック。爆風からを抜け、抜き手を構えて特攻するフォン。致命傷を受けたバルザックはソードを捕まえたままわざとブルーアース号から落下、大気圏での摩擦と干渉スペクトル砲によりソードの鎧の外殻を射抜く。地球に残した恋人リリアへの思い出を胸に、大気圏で燃え尽き爆散するバルザック。外殻を射抜かれたソードは、その穴から徐々に体内燃やされてしまうが、最後のボルテッカによりブルーアース号の撃破に成功する。ラダム人とは既に呼べない、ケンゴを思うその最後の表情は安堵と愛に満ち溢れていた。
終戦を迎えるDボゥイとシンヤ。その戦いを引き止める事が出来ないアキにDボゥイは見守っていて欲しいと願う。
薄暗いオービタルリング内でシンヤと再会したDボゥイはその穏やかさを目にして動揺する。何故こうにもタカヤを憎み、挑戦するのか。多分人間のままでいたとしても自分はタカヤと戦う宿命だった、越えなければならない壁は常にそこにあったと語るシンヤ。そんな宿命の為にミユキや同胞が死ななければならなかったのかと反論するDボゥイ。長い決着を付ける時がようやく訪れる。
軌道上で行われる激戦。槍と槍を打ち交える白と黒の騎士。実力は拮抗していた。次々と欠損していく鎧。
「最高だ! 最高だよ兄さん! もうラダムも人間も関係ない! この一瞬が俺の全てだよ兄さん!」
その迫力に気圧されそうになるDボゥイ。時間的に不利だと思ったDボゥイはボルテッカをエビルの右肩に命中させトドメを放とうとする。しかしそこでタイムリミット。テックセットのラダムの本能がDボゥイを苦しめる。その一瞬の隙を突いて突進するエビル。オービタルリングに落着したブレードはタイムリミットで動けない。トドメを刺そうとするエビルはその槍を何故か寸前で止めた。
「そんな弱々しい兄さんを倒しても嬉しくも何ともないよ。決着は…一時間後に」
そう言い残してブレードの元を去るエビル。ペガスにより一時テックセットを解除するブレード。
30分のリミットを知ったアキはDボゥイの安否を気遣いオービタルリング内を探索する。そこで見つけたのはシンヤだった。銃を構えるアキ。その気丈さから母の事を語るシンヤ。全ての思い出を持ちつつ、何故そんなにDボゥイと戦う事に固執するのか理解に苦しむアキ。
「憎んでなんかいないさ。むしろ愛している。愛するが故に戦う……血の宿命さ。その宿命を……邪魔しないでくれ」
しかし、今この銃でシンヤを殺せばDボゥイはこれ以上戦わずに済む。Dボゥイは自分の全てだと言い切ったアキは銃の引き金を引こうとする。
「撃てるのかい? 兄さんと同じ顔の僕を」
引き金を引ききろうとするのを止めたのはDボゥイだった。シンヤは自分に任せて下がっていて欲しい。憔悴しきったDボゥイを見て拒絶するアキ。鋭い眼光で「下がれ!」と命じるDボゥイ。どの道身体的に優れているテッカマンを撃ち殺す事など出来ない。アキの身を案じての言動だったが、同時に飢え乾いているシンヤの欲望を満たす為の戦いを、止める事など誰にも出来る筈も無かった。崩れ落ち銃を落とすアキ。
最後の決着を付ける時が来た。両者共にもう一度テックセット出来る余裕は無い。シンヤの表情に喜びの笑みが浮かぶ。
http://www.youtube.com/watch?v=Hbc0Z8Oea9s

激突する両雄、一進一退を行う二人。このままではまた決着が付かないと判断したエビルはブラスター化を行う。それに応える様にブレードもブラスター化。縦横無尽に大気圏を駆けぬけられる、テッカマンを越える超戦士達。オービタルリング・地球と次々に戦場を変え再び衛星軌道へと到達した二人は最後のボルテッカで勝負を掛ける。地形を変える威力を持つブラスターボルテッカがぶつかり合う。撃ち負け、ブラスターが強制解除されるDボゥイ。溢れる光の中からエビルが迫る。エビルはブラスター化が解けていない。勝負はエビルが止めを刺すことで決着が付くはずだった。しかしそこでブラスター化の副作用により組織崩壊が増幅、突っ込んだエビルの先にあったのはブレードのテックランサーだった。激突し、オービタルリングに落着する二人。
隔壁が閉まり機密が確保されるオービタルリング内。Dボゥイは肩のアーマーにランサーが突き立てられていた。何とかランサーから逃れると、Dボゥイは絶叫するエビルを目撃する。その胸には深々と刺さったブレードのランサーがあった。絶叫し崩れ落ち、絶命するエビル。倒れたエビルの首の後ろにあるレンズ状の部分から、小さな生命体が逃れる様に出てきた。

「兄さん……悪い夢を見ていた気分だよ」
シンヤはラダムの支配から逃れていた。あの小さな生命体がラダムの中枢、寄生体である事を語る。ラダムはその進化の過程から高度な脳髄だけの存在となり、どんな強い生命体でもその生命体を取り込む(寄生し洗脳する)事で星全体を支配する力を持つ事が出来る。そうやって取り込み続ける事で侵略を完了してきたラダムは全宇宙の脅威とも言えた。この事に早く気づいていればと後悔するブレードだったが、その寄生する母体が死ななければラダムは逃げる事は無い。死ななければラダムの支配から逃れられないのだ。
「勝った……よね。あの時ブラスター化の副作用が無ければ間違いなく兄さんの心臓を捉えていた。素晴らしいよ、兄さんは。こんな僕と精一杯戦ってくれたんだから。そしてようやく勝つことが出来た。嬉しい……はずなのに悲しい。目標……無くなっちゃったじゃないか」
そして最後の力でブレードにクリスタルを渡す。ケンゴが月で待っていると。
「ゴメンね……兄さん」
力尽き、持ったクリスタルを落としそうになるのをブレードが受け止める。ラダムの完全支配を受けつつも、己の宿命に最後まで忠実だった、たった一人の男はもういない。 ブレードの心に突如空虚さと憎しみ、ない交ぜになった感情が湧き起こる。
小さな生命体は白く醜い姿をした虫であった。その虫を渾身の力で踏み潰すブレード。
「こいつの……こいつの為に! こいつの為にぃ!!」
もはや原型を留める状態で無くなった虫、そして慟哭する様に絶叫する白い騎士。
ようやくアキはブレードを発見することが出来た。しかしその動きを一喝、このまま月へ向かうと宣言するブレード。
行く前に顔を見せてと懇願するアキを振り切り、隔壁を閉める。思いを断ち切る様に。
「相羽タカヤもDボゥイも今ここで死んだ! 俺はテッカマンブレードだ!!」
アキの泣き叫ぶ声を背中で受け、テッカマンブレードは月へと向かう為にクリスタルフィールドを展開する。青い光に包まれ爆発的な速度を得るペガス。
「オメガ……これで最後にしてやる!」


ああ、最終回まで書けなかったよう。まあ最終回は皆さんの目で何かで確認してください(笑)今回のブレードvsエビルのようつべは中々分かってる人が載せてくれましたね。おかげでいい感じに粗筋掛けたよ。因みにこの最終戦の挿入歌は始まりから決着までちゃんと描写に合わせてあるのが凄い。これがタツノコパワーって奴だよ! 歌っているのは主題歌と同じ小坂由美子さんで曲は「マスカレード」です。最終決戦に仮面舞踏会とは……小粋過ぎる!
それにしても書いたなあ(笑)何時間掛けたんだか。徹夜ばっかりしてると死んじゃうので皆さん注意しましょうね?
で、最後にこのシーン。

前作の主人公南城二と天地ひろみがモブシーンで登場。ただのサービスなんですけどね(笑)因みにスペースナイツ職員にもアンドロー梅田が登場したことがあったり。本当にこの三人、奇抜なヘアスタイルだよな!(笑)
それではまた〜。


余談。
このようつべにダイジェスト風に映像がありました。参考に見てみてくださいね。
http://www.youtube.com/watch?v=0sdt_cGyaxU