正義でも悪でも無い剥き出しの感情

結局寝ても覚めてもブレードばっかりなエクシです。
なので最終回のあらすじもやってしまおうって感じです。

宇宙の騎士テッカマンブレード 粗筋 最終回
「オメガ……これで終わりにしてやる!」
アキの制止を振り切りDボゥイ、いやテッカマンブレードは月へと向かう。弟シンヤのテッククリスタルを使って超絶的な速度で38万㌔を一気に駆け抜ける宇宙の騎士。しかしそれはDボゥイとしての死を意味する物でもあった。
アキがエビルとの決戦跡地でスペースナイツ基地に事の顛末を報告していた時、冷静な指揮官フリーマンが狼狽する。彼の解析ではテックセットした状態でクリスタルフィールドに包まれれば、Dボゥイの組織崩壊が爆発的に進んでしまうと言う結果だった。本来、その代替策としてノアルとバルザックによる月基地への進行を考案していたのだが、ソードの奮闘でそれすらも叶わなかった。敵テッカマンを撃破する事が出来たとは言え、結局最後をブレードに託さねばならない事態にフリーマンは歯噛みする。余りのショックに通信機を落としてしまうアキ。しかし、全ての記憶を無くしてしまったらもう戦えないのでは?と通信士のミリーの疑問は当然だったが、Dボゥイの怒りと憎しみ、その本能に近い行動が記憶消去程で潰える事は無い。フリーマンは断言する。ブレードは全てを無くしたとしても、ラダムに対抗するだろうと。
そして運命の時はやってきた。力を無くし、崩れるようにペガスから離れるブレード。
「来てしまったのか……ついにこの時が……」
少年時代の思い出、スペースナイツにいた時の記憶。掴もうとしても霧散する仲間達のイメージ。その全てが、地球から30万㌔の場所で失われる。
そして、月での大振動。ラダムの母艦が動き出したのだ。母艦の目覚めに呼応し、地球上ではラダム樹が全て開花し、人々を取り込んでいた。取り込まれた人間は素体テッカマンとなり、仮死状態に陥る。その仮死状態の素体に、ラダムの寄生虫が入る時、ラダム人が完成するのだ。ラダム樹は簡易的なテックシステムだったと言える。スペースナイツはこの事態を漠然と予期(ラダム寄生虫が素体に入ると言う事は知られていない)し、避難勧告を各国に行っていたのだ。オービタルリングの緊急回線で大規模な避難勧告を行うが、地球上の人間の約1/5の人口がテックシステムに取り込まれる事となる。尚も人間を取り込もうとするラダム樹にオービタルリングのレーザー攻撃が降り注ぐ。しかし、ラダム母艦が地球に到達し、ラダム寄生虫が素体に入り込めば約1/5の人間がラダムテッカマンとなる。地球は依然として危機に晒されていた。
オービタルリング内で無力のアキはひたすら願っていた。どんな事があっても、記憶を失っても生き続けて欲しい。Dボゥイのままで帰ってきて欲しいと。その身を案じる心の声がブレードに届いたのか。意識を失っていたブレードは再びクリスタルフィールドを展開し、ラダム母艦へと突進する。
「ラダム……ラダム……ラダムぁぁぁぁぁぁ!!」
その心の叫びを精神感応で受け取った時、オメガはブレードがラダム母艦に突入した事を知った。ランサーで母艦内を破壊するブレード。そして、オメガの謁見の間に到達。ゆっくりとその全容を垣間見せるオメガ。オメガはブレードの手に持つエビルのクリスタルを見て全てを悟る。フォンもシンヤも死んでいる事を。触手でブレードの動きを絡めとめるオメガ。
「不完全な貴様がよもや我らをここまで追いこもうとはな。それも貴様が信じる人の心とやらの力か。だが…人の心を信じた貴様がした事は何だ! 人としての最大の罪、肉親殺しではないか! 貴様こそ我ら以上にラダムに相応しい存在よ。さぁ、残るはこの私一人だ。最後の一人も、その手にかけてみるか。この兄をも!」
普通のテッカマンと違い、オメガは指揮官として完全にテッカマンと融合した存在だった。その人間としての部分は最早首だけとなっていたのだ。ケンゴだった時の変わり果てた顔を顕にして動揺を誘うオメガ。
本来の人の心を持ったDボゥイがいたのなら、この言葉、この姿に萎縮し逡巡しただろう。しかし、今のブレードは憎しみの権化とも言える存在になっていたのだ。逆に全く耳を貸さないブレードに狼狽したのはオメガである。部下のテッカマンを身体的に検査する機能でブレードに何が起こったのか悟るオメガ。脳神経の中枢を著しく破損しているブレードを見て、もはや言葉はいらぬと考えたオメガは決戦の地、ラダム母艦上へと出現する。その姿は10数mの大きさを持つ巨大なテッカマンだった。母艦が彼の本体だとも言える。触手から逃れ攻撃を開始するブレード。巨体に見合わぬ速度でブレードを翻弄するオメガ。そして先程の触手を縦横無尽に放ち、攻撃する。反応弾(この世界で言う核弾頭)ですら通じないテックアーマーがボロボロになっていく。まるで無様なダンスを踊らされるように。
吹き飛ばされ、手足を再び絡め取られ、装甲の無い鎧の隙間に触手が突き刺さる。腹部に攻撃を受けてガクンと力尽きるブレード。
「これまでか? ここまでなのかブレードよ。さらばだぁぁぁぁ!!」
動けないブレードに触手が迫る。オービタルリングでひたすら神に祈るアキ。一人の怯える魂にここまで重過ぎる宿命を背負わせて良いのでしょうか? もう全てを失ってしまったDボゥイに救いを、と。ただ一心に祈り、それに応えたのはペガスだった。必死とも言えるその攻撃をペガスは自らが盾になる事でブレードを守ったのだ。
「ディ、Dボゥイ……ディー……ボゥ・・・・・・」
たかがロボットに邪魔されたのが腹が立ったのか、オメガはペガスをその触手で粉々に引き裂く。ブレードの足元に落ちて割れるクリスタル。激戦を潜り抜けた相棒は機能を停止した。それを目にしたブレードは無意識に絶叫し、ブラスター化する。その身を反物質に包み、少しずつオメガへと歩み寄る。
「この死に損ないめがぁぁぁ!!」
オメガにはボルテッカを二門装備されている。しかしどれほど砲を全開にして撃ち込んでも反物質に包まれたブラスターブレードには届かない。そのエネルギーも次第に強くなってラダム母艦を徐々に包み込んでいく。光が全てを覆い尽くした時、二人の兄弟がそこにいた。人間の身体を持ったケンゴと、寂しそうに語りかけるタカヤ。かつて愛する兄に語りかけた様に。
「帰ろう……家へ」
その言葉を合図に、ブラスターボルテッカが放たれる。強烈な光はまるでビッグバンのようであった。
「ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
光に吸収され、消滅していくオメガ。光を目にして絶叫するアキ。
ラダム母艦は粉々に吹き飛び、その破片は地球へと降り注いだ。その破片の一つに、人型をした物が落ちていく。


ラダムの侵略が終わり、人々は日夜地球の復旧作業に追われていた。月攻略に向かってソードに撃墜され、重症だったノアルもようやく自分で立つ事が出来るまでに回復した。スペースナイツ基地を後にして向かう先は一軒の家。車椅子に乗っている男を献身的に世話している、髪の短いアキがいた。そして、その車椅子の主は……Dボゥイだった。ベランダで海を共に見る二人。それを呆然として眺めるノアル。そんな彼の肩を叩くのはフリーマンだった。二人を見てゆっくりと語るフリーマン。
「忘却を苦しみから逃れる手段に使ってはならない。だが…彼だけにはそれが許される、いや、許されるような気がする。もしも神がいるのなら、それが彼に与えたもうた救いなのだ」
もう戦う事は無い。何もかも忘れてゆっくりと休んで欲しい。心中で思うノアル。
「冷えてきたわね。そろそろ中に入りましょう、Dボゥイ」
膝にあるストールを掛け直し、Dボゥイに語りかけるアキ。真っ直ぐ海を見つめるDボゥイは時間を掛けてようやく、
「ア……キ」
まるでオイルの無くなった機械人形の様に、ゆっくりと、辛うじて口を開き笑い掛ける。その微笑で、例え彼が殆ど自力で歩けなくても、殆ど人としての生活が出来ない廃人の様な状態でも、アキには十分だった。その幸せこそが、彼女にとって全てだった。夕闇に溶け込むように、二人の影が重なる。
全てを失った男はただ生きると言う事だけを手に入れる事が出来た。仮面の下の涙を、拭う事はもう無い。


ってな感じで終わりました。えっとこれはどこの「あしたのジョー」ですか?って感じに真っ白に燃え尽きちゃいました。ただ剥き出しの感情で行動していたDボゥイの物語は一時終焉を迎えます。何かまた復活させられちゃったりするんだけどさ。テッカマンブレードⅡとかⅡとかⅡとかさ!! まあ、いいや。どれだけアホな続編でも、廃人になったDボゥイが復活してくれればそれでもいいです。そういう意味ではⅡの存在もエクシにとっては完全否定出来ないんですよね。それにOVAって画質がスゲーいいし。テレビの時のクォリティに比べたらもう雲泥の差だったりするのが結構却ってムカつきます(笑)国府マリコを悪く言うつもりは無いけど、次の主人公は駄目すぎさん。女の子テッカマンで飯食うのは止めてくれ、タツノコ。でも硬派じゃ食っていけないと思ったから小麦ちゃんとかやってんだろうしな。思えばテッカマンブレードⅡがそう言う転機だったんじゃないかと思います。難儀だねえ。
後ね、若本さんの「ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」はこの作品でも適用されてます。本当にぶるぁぁぁぁぁ好きだなこの人。俺も大好きだ!(笑)
実は続編のミッシングリングのログを手に入れたので近々発表するかもです。長すぎるんでちょっと編集して出すかもです。この作品の最終回の二年後の話しになります。これも結構心がざわざわするんだよね。
それではまた〜。

余談。
ようやくようつべで最終回の動画がありましたけど、外国語だよぉぉぉぉぉぉ!! わざわざ吹き替えすんなよぉぉぉぉぉぉ(笑)多分英語でしょうけど、声優を当てて演じてくれるなんて結構豪華ですね。それだけ海外にブレードが愛された証拠なのでしょう。あれ、音楽まで変わってるよ(笑)まあ説明と一緒に見てみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=CeW9nyB_xSk
何か最終決戦で普通にブレードとオメガが会話してるし。よく分かんないけど微妙に物語変わってんぞこれ。バーサーカーっぽく戦うブレードが切ないからいいんじゃん! もう欧米人分かってねーなー。Dボゥイの声が妙に野太いしさ。きっとあっちじゃヒーローは野太いごつくてタフな奴って決まってんだな。このナーバスさがいいんじゃん! もう欧米人空気読めねーなー(笑)なのであくまでも参考にしてね♪