アキをどん底に陥れる要因その2

さぁさぁまたいってみましょう、エクシです。
今日もダークで救われない話にどっぷり漬かって頂くぜ? 自分ってこんなに暗い話好きだっけ?(笑)でも、最初から暗いと最後のハッピーエンドが楽しめるってもんだ! だから今日もアキと地獄に付き合ってもらおう!(笑)


宇宙の騎士テッカマンブレード 「ラダム再び」編 第2話
自分の研究室でアキが倒した異星人テッカマンの解剖をするフリーマン。その目の前で異星人テッカマンの体からラダム虫が飛び出す。間一髪、手術用レーザーで難を逃れるフリ−マン。
「こ、これは! まさかこれがラダムの正体?」
おののく彼の眼前で不気味に蠢くラダム虫。二年前、ラダムの目的(寄生し、星自体を征服する事)を知ったDボゥイはそのまま決戦にて記憶を喪失してしまった為、ラダムの真意は二年後の今日になってようやく知られる事となる。
ラダムの異星人テッカマンによる攻撃からはや一ヵ月…。だがあの時ORSから去ったアキの行方は依然として分からなかった。
一方フレイルは、Dボウイの状態をモニターする内に、一冊の日記を見つける。それはアキの…。思わず目をやるとそこには“淋しい、淋しい”の連呼が。フレイルは眉をひそめ、そして呟く、意気地無しと……。
深い、深い森の間から、巨大な都市の死骸が覗く。まるで文明そのものを覆い尽くすかのように広がる原生林。そこにアキはいた。
今や宇宙開発のエリートともいえるテッカマン。だが彼らは強制的にテッカマンにされたのであって、自ら望んでなったわけでは無い。全てのテッカマンがこの新時代に順応出来た訳でもない。『過ぎたる科学は悲劇をもたらす』とした者達を中心に、自然生活を営むコミュニティを形成していた。Dボウイに拒絶されてしまった傷心のアキにとって、ここの生活は安らぎであった。幼くしてテッカマンになってしまった少年と知り合い、遊ぶ日々。少しずつ、アキの心が安らいでいく。

一方フリーマンは、前回の異星人テッカマンによる地球攻撃に釈然としない物を感じていた。二年前のラダム戦役に比べ、今回の攻撃は余りにも呆気なさ過ぎるのだ。その上ラダム虫の発見によりフリーマンはラダムの前回の侵略目的が、ラダム人の地球移住にあった事に気付いた。ならば今回の攻撃は尚更のこと納得のいかないものである。それはまるで倒される事を想定したかのような……。そして何より、Dボウイを狙ったのは何故か。
コミュ−ンの人達との質素な生活、リ−ダ−の老人はアキに何があったのかも聞かず、優しく諭す。
「心の追いつかない急激な科学の進歩は悲劇をもたらす……。だが、人類にはどんな悲劇をも乗り越えるだけの強さがきっとある。あんたにも、きっとな……」
一方フレイルはDボゥイの検査に疲れ、うつらうつらとまどろんでいた。そんな彼女がハッと目が覚めるとDボウイの呟きが聞こえる。“ア、アキ”と…。
「どうして?貴方、アキに見捨てられたのよ。アキは貴方の事を放って、貴方が最も嫌うテッカマンになってしまったのよ。なのにどうして! どうしてあの人の名前なんて呼ぶの? どうして?」
二人の見えない絆を見せつけられた様で、そしてDボウイが哀れに思えてイラだつフレイル。そんな時であった。Dボウイの体から今まで見たこともない異様な光が。
突然、少年テッカマンが発狂した。それはまるで、Dボウイの異常に呼応したかの様に。周りのテッカマン達も素体にテックセットして止めようとするが全く歯が立たない。その姿はまるで以前、タイムリミットを迎えて暴走したブレードの様である。かくて、平和だったコミュニティは阿鼻叫喚の渦と化していく。一方Dボウイは急いで医療センターに運ばれるが、原因は掴めない。謎の光を発しつつ苦しむDボウイ。次々と少年テッカマンに倒されていくコミュニティの人々。
「やめて、もうやめてえぇぇぇぇっ!」
必死のアキの叫びも少年の耳には届かない。アキにはこの虐殺がDボウイの肉親殺しに重なって見えるのだ。その時、コミュニティの長老が叫んだ。
「いかん! あそこは!」
少年テッカマンの進む先に旧暦時代の核施設跡があるというのだ。もしもここが破壊されればコミュニティどころか半径数百kmが汚染されてしまう。慌てて素体になり、止めにはいる長老。が少年はその老人をも一刀のもとに殺してしまう。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
絶望の叫びと共にテックセットするアキ。ジャングルを舞台にアキと少年テッカマンとの壮絶な死闘がくりひろげられる。それはまるで森を行く忍者(注1)同志の戦いの様だった。哀しき戦いのなかでアキは自らと少年の姿が、ブレードとエビルの姿に重なって見える。
「何故、何故貴方(Dボゥイ)は戦えたの?こんな哀しい戦いを……。何故、何故!」
だが、殺さねば多くの人達が危機に晒される。核施設はもう目前だった。
「許してぇぇぇぇぇぇっ!!」
悲鳴にも聞こえるアキの叫びがジャングルにこだました。
そして、アキは泣いた。少年の亡骸を抱きつつ。自らの行ってしまった行為に、もう戻れない宿命の海へ自ら漕ぎだしてしまった事に気づく。

その頃フリーマンは、Dボウイのチェックをして気づいた。彼の体の中に第二の、謎のクリスタル(注2)が有ることに。
「い、いかん!」
次の瞬間、Dボウイの中で何かが発動した。異常な高熱を発し、暴走するDボゥイの体。そのエネルギーは建物をも破壊し、慌てて脱出するミリーやノアル達。崩れ落ちる医療センター、その中でDボゥイは心をもたぬブレードにテックセットした!
「これだ! これがラダムの目的だったのだ!」
ついに心をもたない白き悪魔が蘇った。そして絶望のどん底にいるアキは、そしてノアル、ミリーは。ラダムの新たなる計画は着実に人類を絶望の淵へと追いやっていく。果して、人類の運命は……。


(注1)忍者……如月アキは実は伊賀忍者の末裔と言う設定がある。CDドラマ「ラダムの来ない日」にてアキ自身が漏らしている。「皆(スタッフ)忘れてるみたいだけど」と言う言葉と共に(笑)地球製試作体第一号、テッカマンとしてハンディキャップを負っていながら、それでも高い戦闘能力を維持するのはこの様な経緯があるからであろう。TV本編で忍者らしい動きは全く無いが「超戦士ブラスター」の回でテックセット後のランスに一撃されたにも関わらず軽症で済んでいる(インパクトの瞬間後ろに飛んでいた)のはある程度の体術を習得しているからだと推測される。え? 気のせい?(笑)

(注2)謎のクリスタル……前回、第一話の群体ラダムテッカマンがDボゥイに植えつけたクリスタル。群体ラダムはDボゥイを殺すつもりはなく、このクリスタルをDボゥイの身体に埋め込む事自体が目的だったようだ。テッカマンブレードⅡの第三話にて、Dボゥイの手に突然現れるクリスタル(他のテッカマンとは違い完全に身体に同化している物)は恐らくこのクリスタルを元にして作った物と考えられる。


ってな感じで第二話終了〜。凄いですね、きついですね。この主人公達に容赦が無いのがブレードの魅力だと思えます。次回もスペースナイツの面々に危機が訪れ、状況は更に厳しくなっていきます。次々と起こる苦難にアキは復活し、立ち向かう事が出来るのでしょうか!?
そう言えば……

あんた何やってんだよ!(笑)
それではまた〜。