第3話 スパイの烙印(脚本:筒井ともみ/作画監督:飯野皓)
亜空間を自由に行き来する事が出来るアルデバロン軍と地球軍の戦闘力の差は圧倒的だった。そんな中、BFS所属の二大メカは何とか戦線を維持していた。キャタレンジャーとバルディプライズの頑強さに歯噛みするアフロディア。尚且つ地球に仇であるマリンがいるのだ。ガットラーは「憎しみこそ闘争の原動力だ」と示唆し、アフロディアを激励する。
その頃、BFS基地内での自由行動を許されているマリンだが、未だ地球人から信用を得られない。帰還したBFS隊員は休む事無く無重力下の訓練に勤しむ。それを見てつい口を出してしまうマリン。何もせずに日々を暮らす事に焦燥感があった故に。自分も訓練に参加させて欲しいと言うマリンの嘆願に月影は難色を示し、クインシュタインははっきりとその行動を否定した。
「貴方はS−1星人であると言う事の宿命を背負わなければなりません」
クインシュタインのその言葉の真意が分からず、常にこの場所で独りなのだと思うマリン。そんな彼に手を差し伸べたのはジェミーだった。彼女は孤独な彼が更に孤立し、ほんの少しの反発で殺されてしまうかもしれないと危惧し、逃がそうと行動する。しかしマリンは毅然として逃げない事を彼女に伝えるのだった。
アルデバロン本部ではアフロディアが上層部に攻略作戦の仔細を説明していた。それは巨大機動兵器によるバルディプライズ、キャタレンジャー撃滅作戦だった。地球の二大メカを失えば戦力が大幅に激減すると考えたからだ。巨大メカビッグオクトの出動を許可するガットラー。
展望室で語り合う二人。ジェミーを全面的に信用するマリンに心のわだかまりが消えていく。しかし監視室からマリンの姿が消える事が知られると脱走だとBFS内は色めき立つ。特にクインシュタインの動揺は激しいものだった。彼女が今開発しているのはパルサバーンを改造した物で、そのパイロットはマリンの他にいないと思っていたからだ。雷太とオリバーは基地内をくまなく探し、展望台でマリンの姿を見つけるとすかさず雷太が殴りかかる。止めようとするジェミーだったがオリバーは「放っておけ、男の闘いだ」と止める素振りもしない。雷太がマリンを一番信用していないのは確かだったが、前回の戦いでスパイであるはずのマリンが自分達を助けた事に疑問と不満が雷太にあったのだ。彼はスパイなのかそうでないのか。マリンも自分がスパイではない、絶対に信用させてみせると拳で応えるのだった。わだかまりや憎しみ以外の何かが両者に生れようとしていた。
二人が拳を交えている最中に敵の襲来を告げる警報が鳴る。出動準備を行う雷太とオリバー、キャタレンジャーとバルディプライズが巨大なメカを迎え撃つ。巨体で地球人の街を襲おうとするビッグオクト。それに乗るアフロディアは瞳に闘志を宿していたが、今回の狙いはBFS二大メカの撃滅だ。それが済んだ時マリンはきっと来る。その時が奴の最後だと。地球側とアルデバロン軍の最新鋭戦闘機の対決、果たしてどちらに勝利の女神が微笑むのだろうか?

エクシ感想……バルディオス誕生編前編です。拳と拳で語りあうマリンと雷太が結構宜しい。ジェミーには無垢な心と瞳で、雷太には拳で。こういった両極端は比較対象として分かり易い構図だと思います。今回BFSの隊員の服に着替えさせられたマリンですが次回ではまたあの王子様ルックっぽいのに逆戻り。洗濯の為に着替えさせられただけってどういう事ん? クインシュタインの意図が掴めないマリンですが、視聴者も多分分からないと思います(笑)
と言う感じで今日はここまで。次回はバルディオス誕生編後編ですね。期待して…ます!?
それではまた〜(Y_Y)ノシ