陰&陽/タイトー&セガ/ZUNTATA&S.S.T.バンド

昔のロゴの方が良かった様な……

ずっと昔から考えていた事を書くエクシです。
1980年代後半から1990年代前半、アーケードゲーム会社にはどこでもバンドがあった。
1988年結成のS.S.T.バンド(セガ)、その後直ぐに続く(タイトー)。
90年代からはコナミ矩形波倶楽部、カプコンのアルフ・ライラ・ワ・ライラ、データイーストのゲーマデリック、日本ファルコムのJDKバンド、SNKの新世界楽曲雑技団スペシャルバンドなどなど。
当時、ゲームミュージックフェスティバルと言うイベントがあり、90年から95年の間の夏にはいつもこう言ったゲームミュージックのバンドが様々な楽曲を引っさげてライブをしていた時代があった。
その中で実質生き残ったのはZUNTATAのみ。ZUNTATAは未だにオフィシャルホームページ等で曲を配信し続けている。本当にあの頃、あの時代は良かった……と思わざるを得ない。
ゲームミュージックが産声を上げ、その曲をライブでやるなんて30年前のあの頃、誰が思っただろうか。いや、考えてみればYMOの時代では歌なしの曲なんてざらにあったから「ゲームミュージックフェスティバル」なんていうイベント企画が出来上がるのはそう遠くない事象だったのかも知れない。
最近は朝の出勤時にはいつもニンジャウォーリアーズの「ダディ・マルク」を聞いている。この時代のタイトー音楽と言うのはまず物語ありきで、ゲーム性を犠牲にしても人々の心に残る様な何かを残していた。
例えばダライアスガンフロンティアレイフォースメタルブラックなど、終末的な破滅を迎える人類が物語背景になり、その物語が重々しいZUNTATAミュージックで再現される。考え様によってはメタルブラック等は横スクロールシューティングで、一度ボンバーを撃ったらまた初期段階のレベルまで戻されプレイヤーは苦境に立たされる、言わばかなりゲームでは損をしている感覚があった。やる人によっては「クソゲー」の烙印を押されても仕方なしな部分があるのだ。ニンジャウォーリアーズにしても一見プレイヤーを全く無視した非常に難易度の高いゲームになっている。それに救い様の無いバッドエンド。ガンフロンティアメタルブラックはグッドエンドとバッドエンドの両方が用意されてはいるがゲームとしては初心者キラーな印象が強い。シューティングゲームなのに連射すると敵のランクアップするなんて何と言う矛盾だろう。
それでもタイトー、と言うかZUNTATAはゲーム性を犠牲にしてでも物語重視の手法を変えなかった。その煽りを喰らったのか、今ではスクエアエニックスの完全子会社として存在だけはしている。エクシにとってはそれはとてもとても悲しい事だった。
対してセガのS.S.T.バンドはどうだろうか。初のゲームミュージックバンドであり、老舗のセガから作り出される音楽はいつも明るい曲調で彩られていた。重厚なサウンドが無いと言う意味ではない。軽快で全体的に明るく、ゲーム性にしてもスピーディな印象が高い。それはゲーム性、物語、音楽のバランスが取れていたと言える気がする。ゲームを楽しみ音楽を楽しむ。物語はどちらかと言えば二の次。
例えば可愛いキャラクター主体のソニック・ザ・ヘッジホッグ、夢の世界を自由に飛び回るナイツ、軽快なサウンドでミサイルを乱射するアフターバーナー、攻略要素が高く明るい曲を主体にしたファンタジーゾーン等。セガのゲームはいつも爽快感に満たされていた様な気がするのは気のせいではないだろう。
結成が同じ時期であり、その両者を比較してみると、どちらが優れているか等の議論は意味が無い気がする。それぞれ方向性が全く真逆だからだ。
上でも書いている様に、ZUNTATAは物語を重視し、どちらかと言えば終末に向かっていく様な暗い雰囲気と重苦しいサウンド。対してS.S.T.バンドは軽快でゲーム性に合わせた明るい印象の曲調。光と影、陰と陽。両者が意識した訳でもないのに、これら二つのミュージックグループはまるで各々別の方向性を醸し出している。それが実に面白い。
と言う事で、代表的な楽曲の動画で〆たいと思う。
まずはZUNTATAのダディ・マルクから。

敢えて言おう。
津軽三味線最高!
初めてニンジャウォーリアーズの楽曲が収録された「ニンジャウォーリアーズ-G.S.M.タイトー1」にはダディマルクのライブバージョンがある。この時代はZUNTATAなんて無かった時代。つまりスタッフがお遊びで作ったアレンジバージョンなのだ。ライナーノーツには「ライブやりてぇなあ」とか書いてある。その数ヶ月先にバンド結成なんて誰が考えていただろうか。恐ろしい連中である。因みに観客のアンコールまでサンプリングで作ってある。かなり芸コマ(笑)

S.S.T.BANDのアフターバーナーメドレー。SSTの略はセガサウンドチームの頭文字から。SSTで覚えるから何の略か忘れてしまうのが難点(笑)映画のTOP GUNをイメージした感じになっている。
と言う感じで今日はここまで。
それではまた〜(+_+)ノシ