明日を救えないバルディオス 前編

ちょっと待てー!!(笑)

1980年の作品で「宇宙戦士バルディオス」という作品がある。今日はこのマイナー作品について。
S-1星という惑星から物語が始まる。この惑星は放射能で汚染され、星を統括する皇帝は軍部に言われるまま故郷を脱出し新たな星を開拓もしくは侵略するか、科学者達の放射能汚染除去装置の完成を待つか判断に困窮する。軍部のトップ、ガットラーは科学者達を疎んじていた。放射能除去装置が出来ればこの星から離れられなくなる。ガットラーの部下、アフロディア(ヒロイン(笑)はガットラーの命により皇帝の暗殺を行い、その暗殺を科学者達のトップ、レイガン博士の息子、マリン(主人公)になすりつけ、科学者達の一掃を図る。その最中、アフロディアの弟はマリンの反撃にあい、絶命する。弟の仇と迫るアフロディア。そこでマリンを助けるのは瀕死のレイガン博士。放射能除去装置も完成の目処が立っていたにも関わらず施設を破壊され父に促されて地下へ。そこには亜空間航法の可能な宇宙戦闘機パルサバーンがあった。マリンを逃すためにレイガン博士は隔壁を閉じ、追っ手を食い止めようとし犠牲になる。ガットラーの思い通りにさせるなと遺言を残して。
皇帝が亡くなり、総統となったガットラーはすぐさま移民船団を構成(もしくは最初から計画していた)、S-1星を脱出し亜空間航法にて移民船団をワープさせる。パルサバーンで脱出したマリンはそうはさせるかとそれを強襲。しかしアフロディアの邪魔が入る。二機の宇宙戦闘機によるドッグファイト中、移民船のワープは行われ、二人は暗転する。アフロディアは何とか戻る事が出来たが、マリンは今の現代より近い未来の地球、その砂浜に不時着する。
世界の紛争、火消し役として結成されたブルーフィクサー(BF)はその未知なる戦闘機とマリンを回収し異星人と断定、独房に監禁する。パルサバーンは研究に回されその技術の究明を行う。すでにガットラーの魔の手は太陽系にも及んでいたからだ。
その頃マリンは独房の窓から地球の自然に感涙していた。青い空に青い海、眩しき陽光、見たことも無い光景を。ガットラーの魔の手が近づいている事を知るや否や、パルサバーンにて出撃を懇願するが信用されない。しかし、BFは事実彼らの技術力には太刀打ちできないでいた。最新戦闘機のバルディプライズ、最新万能戦車のキャタレンジャーでも歯が立たない。BFの司令はマリンのパルサバーンに賭けるしかなかった。地球側の手のひらの返しように納得は出来ないマリンだったが、相手は父の仇ガットラー。誰一人として味方がいなくても地球を守る為、マリンは出撃するのだった。
戦いの中徐々にマリンは信用され、BFの一員となっていくが、さすがにパルサバーンだけではガットラーの軍団に対処しきれなくなっていった。そこでBF科学者のクインシュタインは三機のメカ(パルサバーン・バルディプライズ・キャタレンジャー)を合体させ、戦力の集中を行う。それがこのタイトルにもなっている巨大戦闘メカバルディオスなのである。

っふう。まあそんなことから色々話が進んで終盤に至るといきなり地球の南極と北極の氷が溶かされて地球のほぼ全域の陸地が水になっちゃうわけだが。それでも戦いは続くと思われたけど・・・打ち切りになりました(笑)マリンの悲愴な顔を映しながらバックでは次々と都市が水害で滅んでいくの。その後バーン!!と出たのがこの写真(笑)テレビに枕投げつけながら馬鹿笑いしちまったよ。
まあ物語としてはかなりハイレベルなSFアニメだが、ロボットアニメとしては微妙通り越して×。スタッフが人間ドラマと物語のハードさを語りすぎて、ロボットはおまけとして描かれてしまったように見えたのだ。バルディオスが活躍しない話がかなりあるからだろう。しかし当時の女子中高生には馬鹿受けした。マリンがかなり美形&好青年だったからだ。男子にはそこそこ受けたが、野村トーイスポンサーの玩具は売り上げが全く上がらなかった。幼少の男子には受けなかったからだ。そりゃそうだろう。ハードな物語展開、人間を描くドラマ、しかしロボットは主題として扱われない、じゃな。女子中高生は玩具買わないだろうし。
あまりの打ち切りっぷりに映画が作成されたが、それでも人間ドラマ重視で敵と味方、マリンとアフロディアのドラマ重視の仕様になっていて微妙に物語はテレビ版と違っていた。
だからこの作品は永遠の未完結ロボットアニメとして語り継がれていく。スパロボにでも参加すれば別だけどね。
続く!