天獅子悦也先生のあしあと

宝物です(笑)

最近書く事が無いエクシです。
おかげでキーボードを叩く感覚がちと薄れている感じがする。
なので、今日はつらつらと好きな事を書いてみたりする。
ああ、キー押しミスが多くて困る(笑)


天獅子悦也先生と言う漫画家さんがいる。
小学館時代で描いてた時代は殆ど知られていないが、一応「川俣先生教育日誌」や未完?で終わった「MAOH」等のコミックスが発売されている。
川俣先生〜作品は昭和63年で連載となっている。約25年前ってすげぇ。MAOH以降の天獅子先生の活躍は殆ど見られない。短編で食いつないだのか、どうなのかはエクシも殆ど知らない。
時が変わって90年代。ゲーメストと言うアーケードゲーム雑誌のゲームコミックス化と言う事で、当時話題となっていた「龍虎の拳」で天獅子先生は再び漫画界に浮き上がってきた、様な気がした。正直サンデー系で描いていたMAHO以降殆ど知られず、当時本屋で見た時は「うぉ懐かしい!」と声に出してしまった感じ。考えてみればカプコン系のコミカライズ化(さくらがんばる!)を担当していた中平氏とよく似ているかも知れない。中平さんもサンデー系からの引き抜きだもんね。
それ以降、天獅子先生はずっとゲーメストでSNK関連のゲームシリーズのコミカライズを担当する。ゲーメスト時代を羅列するとこんな感じ。


龍虎の拳 SNKゲーム「龍虎の拳
龍虎の拳2 SNKゲーム「龍虎の拳2」
ギース・ハワード外伝 SNKゲーム「餓狼伝説1〜餓狼伝説3」
ギース・ハワード外伝 闇のギース SNKゲーム「リアルバウト餓狼伝説リアルバウト餓狼伝説スペシャル」
・カーマンに司令を SNKゲーム「龍虎の拳外伝

と、まあ93年辺りからほぼずっと餓狼シリーズや龍虎シリーズのコミックス化を生業にしている感じ。
龍虎シリーズの1&2&外伝は定期連載で、ギースシリーズだけ好きな時に描くと言う感じの不定期連載だった。

さて、ここでゲーメスト時代の作品を振り返ってみると、驚くべき事に見事に脇役と言うか、主人公以外の作品を描いている事の方が多い。
多分、龍虎・餓狼シリーズでライバル役で闇の帝王、ギースを描ききった第一人者だと言える。何せ10代からのギースを描いているしね(笑)
龍虎シリーズの外伝にしても渋いおっさん、誰も使いそうにないカーマン・コールを主人公にする等、着眼点が明らかに他の作家さんとは著しく違う。
闇のギース編に至ってはビリーとかマリーとか双角とかがメインキャラになってるし(笑)
で、最終話で主人公が全て持っていく感じではあるが、物語を引き立たせる脇役を主人公にする、と言う点はなかなか見応えがあった。


そしてあれほど躍進していたゲーメスト、新声社が潰れてしまった後、天獅子先生は何処に行ったのかと言うと。

近代麻雀で鮮烈にデビュー(笑)
つまり、ゲーメスト時代を経た事で、天獅子先生は自分が描く作風をと言う物を理解したのだと思う。
90年代後半はむしろ少年漫画にしても何にしても萌えが到来したした時期。そんな中で彼が描ける物なんて数える位しかない。渋いおっさんや、極めてカッコイイが非情な悪役を描くのが特に好きな彼にとって、当時の少年誌や青年誌では殆ど描けるモノが無いと言ってもいいかも知れなかった。
ならどうするか。カッコイイ悪役や渋いおっさんだけを描ける場所に行けばイイだけの事だった。
近代麻雀。青年誌としても正直、少年や青年が読む雑誌ではない。どちらかと言えば30代過ぎたおっさんが読む、成年誌に近いニュアンスのある雑誌だと思う。
この系統のギャンブルが介在した雑誌と言うのはかなり短命だと思う。定期的な購読者がそれ程確保出来ないと言うのもあるが、物語漫画としての漫画が少なく、短編が多い。それ故にいつ無くなってもおかしくない雑誌だった。
しかし、天獅子先生が近代麻雀に連載を始めた事で(勿論他にも魅力のある漫画は多いが)定期的な購読者を確保した事は確かだと思うのだ。
元々、近代麻雀は「別冊近代麻雀」として月に二回発行される雑誌だった。本家の「近代麻雀」と言う雑誌もあったが、前述の事情から購読者が少なく、廃刊になってしまう。暫く「別冊近代麻雀」のまま刊行される事になるが、徐々に人気があがって本家に取って変わって近代麻雀を名乗ったのがこの雑誌。
そして明らかに、その徐々に人気があがった理由と言うのが天獅子先生が描く「むこうぶち」にあると思う。
龍虎の作者が麻雀漫画にチャレンジ! と言う事もあったが、其処は彼にとって天国だったと言えるかもしれない。渋いおっさんがいつでも描けるし、何と言っても可愛い女子なんぞ介さない世界だ。
物の見事に世間から逆風となっているはずなのに、未だに元別冊近代麻雀に衰えは無い。……まあ最近は「ひぐらし」とか連載されていたりしますが(笑)
近代麻雀の金字塔とも言える「むこうぶち」は現在で26巻刊行。勢いは衰えず、常に連載に穴を空ける事も無い。
その作風はどちらかと言えば悪役であり、例をあげれば「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造のカッコイイバージョンと言った処か。主人公は毎回変わり、結局
傀(カイ)に全てを奪われてしまうと言う感じの物語。もっと分かり易く言えば「ゴルゴ13」で長年購読されたスタイルと言っても良いだろうか。
傀(カイ)には余りにも人間性が無いが、つまりその悪役ぶりのベースキャラクターとしてギース・ハワードがいる。エクシはいつもそう思うのです。
エクシは天獅子先生をいつも応援しています。と言う感じで今日はここまで。
それではまた〜(+_+)ノシ