第14話 さらば愛しの妹よ(脚本:筒井ともみ/作画監督:飯野皓)
地球とアルデバロンの戦況は膠着状態だった。幾ら科学力の差があるとは言え、国力の差は歴然である。飢えた狼と化したアフロディアは血を求め、何としても地球の戦略配置を掴みたいと思っていた。そんな時、世界連盟では全世界が提携して軍備の再編成を行おうとしている。その懸案作成の為、連盟に各国からの軍備再編の重要書類が集められようとしていた。BFSメンバーの任務はその警護にあたる事となる。連盟本部へと出向する事を聞いて喜ぶオリバー。連盟の付属病院には彼の妹、エミリーがいるからだ。久々の対面に心躍るオリバー。四人は三大メカと共に連盟へと飛ぶ。
連盟代表モーガンから鍵を受け取るBFS。重要書類の入った金庫の、二つの鍵の内の一つを持つ事になったのはオリバーだった。喫茶室で談笑しているメンバーに看護姿の女性、エミリーが訪ねてきた。少女の面影は無く、立派な女性に育った彼女に小躍りするオリバー。しかしエミリーからフィアンセであるロイ・ヒューストンを紹介されると、その表情もかき消え目を丸くしてしまう。まるで初耳だったからだ。複雑な心境でオリバーはBFSメンバーを紹介する。ほぼフィアンセの事情等後回しにしたいが為に。
寝ずの番で金庫を警護するオリバーに妹が差し入れを持ってきた。エミリーはあくまでもロイの事を分かって欲しい一心で重要任務中のオリバーを訪ねてきた。任務終了後に事情を聞こうと思っていたオリバーもさすがに折れる。何より、妹との二人きりの時間を大事にしたいと言う気持ちが先行していた。ロイは火星への物資輸送隊に所属する宇宙艇のパイロットだったが、アルデバロンの攻撃により重傷を負いながらも一人奇跡的な生還を遂げた者だった。エミリーは輸送隊と言え、兄と同じく地球の為に立派に働いていたロイを懸命に看護し、次第に二人は恋に落ちていたと言う事だ。彼女の話を聞いているその時、部屋の外から物音が聞こえた。銃を抜き警戒するオリバー。外で聞き耳を立てていた者はロイだった。一応、警戒を解いて三人で話をしたいと言うオリバーの申し出を拒否するロイ。その陰の掛かった彼の表情に、至極不安を感じるオリバーは金庫番を交代するマリンにロイの身辺調査を依頼する。思い込みかも知れないが、不安を取り除く為ならと快諾するマリン。しかし不安は的中していた。ロイは攻撃を受け、一人宇宙空間で取り残されていた所をアフロディアに拾われたのだ。通信でアフロディアから重要書類を盗む事を指示されるロイ。彼は激昂し易いと言う適性検査から宇宙軍のパイロットに不適格とされた男だった。オリバーに劣等感を感じるロイは、エミリーを利用した。一流のパイロットになる為に必要なのだと説き伏せる。恋人を不審に思いながらも、エミリーは兄の上着を替える振りをして鍵を盗むのだった。
交代の時間になったオリバーはマリンからロイの調査結果を受け取る。マリンの表情は決して穏やかなものでは無かった。ロイが攻撃を受け発見された状況などから考えて、捕虜になった可能性がある。明らかにスパイである疑いが濃厚だと言う事からだった。調査書類を読み終えたオリバーは改めて鍵が無い事に気づく。急ぎ金庫を調べてみると鍵は取り付けられ、開けた跡があった。書類は無事であったが、その内容はマイクロフィルムに収められた可能性がある。ロイを探さなければと思うその時、エミリーがロイからオリバーへ渡して欲しいと頼まれた紙を持ってくる。アフリカの東海岸を位置する地図だった。恐らく敵との合流地点だと思われるが、何故彼がオリバーにその事を知らせるのか。二人がその場所に急行しようとする時、恋人のただならぬ状況からエミリーもオリバーに追従するのだった。
海岸に一人待つロイ。亜空間から復帰する空母が現れる。書類はマイクロフィルムに納めフィルム缶に収納されている。缶を船内から伸びた筒状の昇降機へ投げ入れる様命じるアフロディアだったが、彼女自ら来なければ渡す気はないと言うロイ。そこへ三人が到着。プライズが降り、ロイが手にしている缶をオリバーが銃で撃ち落す。衝撃で倒れこむロイを見て制止も聞かずに駆け出すエミリー。状況を見てスパイ共々空母下部に配置された砲で殺そうとするアフロディア。周囲で爆発が起き、負傷しながらも彼女を庇うロイ。二人の窮地をパルサバーンが救う。最早これまでと判断した彼女は退却するのだった。
缶を開けると中は空だった。ロイは初めから地球を裏切るつもりは無く、アフロディアを捕えようとしていたのだ。しかしそれは劣等感故の行動だった。その心理を責めるオリバー。ロイは一礼すると、荒野へと去っていく。その姿をじっと見続け「まだロイの事が好きか?」と言う質問に強く頷くエミリー。止められないと思うオリバーは彼の元へ行く様に促す。力強く走り出すエミリーの後姿を寂しげに、しかし祝福する様に微笑みながら見続ける兄がそこにいた。
エクシ感想……これもまたイマイチ感想に困る話だなぁ……最初から空の缶を持っていくんだったら鍵盗む必要無いじゃん、と突っ込まれると意味無くなる話でした(笑)こんな事の為に恋人も重罪にしてしまうロイの思考回路は正直理解不能(笑)
まだまだ突っ込み所あるよ。調査結果を見ている時は雷太が番をするはずなのに中盤辺りから全然彼の姿を見かけないとか、前の回で使った洗脳装置をロイに使えば良いのに何故使わないのかアフロディアとか、ロイは実は裏切るつもりだったけど資料の余りの多さに「こんなにフィルム撮れないよ! 警護厳しいし!」と思って180度方針変えてアフロディア捕らえる良い者になろうとしたヘタレ野郎だったとか、こんな奴に付いて行こうとするエミリーはちょっと足りない子なんじゃないかとか、そんな足りない子をその場の雰囲気で送り出しちゃって大丈夫なのかオリバーとか、世界の命運を掛けている書類を夜間銀行宜しくな感じのちょっとした泥棒なら即行で開けちゃう様な金庫に入れてる世界連盟は大丈夫なのかとか、そもそも地球防衛の要である三人がこんな任務に呼ばれる事自体おかしいんじゃないのかとか。どれもこれも致命的にヤバイ回でした。
龍飛さん曰くワースト2に登る回だったそうです(笑)責任者出てこーい! と言う感じで今日はここまで。
それではまた(T_T)ノシ