第26話 バルディオス・パワーアップ

今日もBFS基地にアルデバロン来襲の警報が鳴り響く。場所はニューベルゲンのウラン発掘基地。三大メカが現地へと飛び、バルディオスへとチャージアップ、透明円盤を迎撃する。いつに無く透明円盤の動きに精彩が無い。それは彼らが完全に囮の攻撃部隊だったからだ。亜空間へ撤退する透明円盤を追いそれらを粉砕したが、バルディオスは四機の巨大メカの奇襲を受ける。新型巨大メカミラジャガーを操るジョリロは、バルディオス撃滅作戦を開始した。パルサーベルで果敢に挑むマリンだったが、幾ら叩き斬っても再生し、攻撃を跳ね返されてしまう。ミラジャガーが反撃に転じ、ジョリロの号令でスーパースペーサーシャワーが発射される。眩い光の後、マリンは目を疑った。バルディオスが何枚もの鏡に映っている。それは全ての物理、光波を反射する鏡の閉鎖空間を作り出すアルデバロンの新兵器だった。鏡にはミサイルもビームも撃った相手に反射させ、更に体当たりを行っても元の場所に戻される。実質上鏡の檻に閉じ込められたマリンは一つの賭けに出た。全武器のエネルギーを放射し、反射の限界を超えさせようと言うのだ。しかしバルディオスのパワーが新型メカのパワーを下回っていたら全ての攻撃が跳ね返ってくる。だがそれ以外に現状で打つ手は無い。雷太とオリバーはマリンの賭けに乗った。直後、三人の号令で全武器、即ち亜空間ビーム・ショルダーキャノン・バルディミサイル・サンダーフラッシュ・パルサーベル・バルディカッターを鏡の一点に集中させる。凄まじいエネルギーの奔流が鏡とミラジャガーを粉砕し、ミラジャガーを操っていたジョリロの戦闘空母まで撃破する事が出来た。攻撃が命中し反射鏡空間が崩壊した直後、エネルギーの反射を受けない様に現空間へと復帰したバルディオスだったが、完全に逃れる事は出来なかった。戦闘不能・飛行不能・分離不能バルディオスは歩行しか出来ない状況に陥る。だが戦闘不能になった事でアフロディアはバルディオスを追撃出来ない。動力機関の一つであり、アルデバロンに探知され易いパルサービーム発生器が損傷し反応を感知出来なくなったからだ。満身創痍な体躯を引きずりつつも、何とかバルディオスはBFSへと帰還した。
クインシュタインによって損傷の修理に三日を要すると判断されるが、今回の敵と遭遇したら再び同じ結果になる。博士は以前から考えていたバルディオスのパワーアップを月影に申請する。その修理と改修に掛かる期間は一ヶ月。その間バルディオスは一度も出撃する事が出来なくなるが、確実に勝利する為にはアルデバロンの襲撃から耐えねばならない。これはBFSでのトップシークレットとなり、スパイがいると言われている世界連盟本部にも知られてはならない機密となる。月影の命により、直ちに改修作業は開始された。
アルデバロンはバルディオスの存在を確認する為に十日間に渡ってアメリア地区ラジウム発掘地帯を襲撃する。ミラジャガーとの交戦でバルディオスが自爆した可能性があったからだ。BFSは一度も姿を現さず、連盟軍は次々と敗北しアメリア工業地区は敵の手に落ちてしまう。アルデバロン軍上層部はバルディオスが撃破されたと考え、幹部は総攻撃を申請するが司令官のアフロディアは慎重だった。これがもしマリンの罠であったら。総攻撃時にバルディオスの反撃を受けて手痛い損失を被ることになる。彼女は世界中の上空にパルサービームセンサーを設置、バルディオス調査の許可をガットラーに求める。その期間は約20日。「これまで一年近く待ったのだ。20日を待てぬわしではない」そう言ってガットラーは調査をアフロディアに命じる。
亜空間から移動してきたパルサービームセンサーをBFSは確認するが、手を出さずに静観する。こちらの動きを察知されない為だ。しかし世界連盟のモーガンからアメリア地区奪還の出撃を命じられる。月影は敵の総攻撃に戦力を温存すると言う名目で出撃を拒否、命令違反を犯しながらも機密を守る事に専念する。長官の意思を無駄にしない為に、改修作業は昼夜を徹して行われた。そして20日が経過した。
地球上の調査は全て終了し、総攻撃の準備に取り掛かるアルデバロン軍。折しも、バルディオスの改修はほぼ完了し、分離テストや飛行テスト、パルサービーム発生機関の最終調整を行うのみとなった。だがそこで問題が生じる。敵のセンサーにパルサービームを感知する機能があったとしたら、この基地の所在が判明してしまう。更に機関を作動させ調整を完了させるのに10時間を要する。10時間、BFS基地だけで持ち応えるのは不可能だと言うマリン。しかし月影には秘策があった。クインシュタインに発生機関を作動させるよう指示する。
センサーに感ありの報告を聞いてモニターを見たアフロディアが驚きの声を上げる。バルディオスより大きな建造物。BFS基地の所在が遂にアルデバロンに知られる事となった。直ちに透明円盤群が出撃し、BFS基地に猛攻を加える。迎撃システムが作動し砲台が透明円盤を攻撃するが、次々と潰されてしまう。そこで月影の号令が飛ぶ。
「プログラムセット! BFS基地、発進せよ!」
地響きをあげ浮き上がるBFS基地。マリンは基地が移動要塞だと言う事を今初めて知り驚愕した。驚いたのはアフロディアも同様であったが、逃がさないように透明円盤に追撃の指示を出す。すると海上を飛んでいたBFS基地が海に沈んでいく。基地には潜水機能もあるのだ。更に地面を走る巨大なキャタピラまである。万能移動要塞と言うよりその様は機動戦艦だった。しかしアルデバロンにも海中戦闘機が存在する。次々と被弾し、隔壁が破られ浸水する基地。後数分の時間稼ぎで調整が完了する、と言う処でBFSは力尽きる様に浜辺へと乗り上げた。透明円盤隊の特殊攻撃フォーメーション、クリスタルボンバーでとどめを刺そうとするアフロディア。しかしそれを一条のビームが切り裂く。三大メカの改修と調整が終了したのだ。パルサバーンは新たに改修が加えられ、マリンの脳波に感応し作動する。バルディオスチャージアップ。その力強さに驚きを隠せない三人。そして今までの武装に加え、三つの特殊兵装が唸りを上げる。エネルギーバリアを機体の周りに発生させ、特攻する事で中央突破を行うベストリンガー。連続で亜空間に突入し位相をずらす事で、実体のある分身を二体作り三重攻撃を行う3Dバル。透明円盤の大部隊が次々と撃墜されると、新型巨大メカのミラジャガーが出現した。今度は以前の様にはやられない。マリンの意思が力となり、パルサーベルドリンギングが発動する。二本のパルサーベルを連結、槍状にして回転させる事で防御を、二刀流で二倍の攻撃力を。攻防一体、変幻自在に舞うサーベルがミラジャガーを撃滅する。バルディオスの余りの攻撃力に絶句するアフロディア。その勢いに撤退せずにはいられなかった。
バルディオスを守って半壊したBFS基地。その側にバルディオスが着陸する。負傷した月影へパワーアップは完全に成功した事を伝えるマリン達。そこへ連盟代表のモーガンが訪れる。バルディオスの戦いぶりを見て驚嘆したのは敵だけではなかったのだ。月影は厳罰を覚悟していたが、パワーアップ改修を機密にするなら今までのBFSの行動は間違いではない、とモーガンは諭す。彼もスパイの危険性を重々に承知しているのだ。パワーアップしたバルディオスを頼もしそうに見上げる一同。ますます激化していく戦いに、新たな力は大いに役立つであろう。


エクシ感想……♪起て〜ばるでぃお〜す〜ちゃ〜じあ〜っぷ〜宇宙戦士ばーるでぃおす〜♪
たいらいさおさんの歌はいつ聴いてもいいですね。それを丸パクリしたダイコンフィルム許さぬ(怒)いつになくバルディオスが活躍した話。でもこの技達はテレビシリーズでは後一回位しか出ないんだ……龍飛さん、漫画で再現してくれてありがとぉ!(笑)
三つの必殺技は見ていてなかなか迫力がありますね。V-MAXの雛形がこんな所にあったなんて驚きです(笑)しかし3Dバルだけはどう言う原理で行うのか理解不能。仕方ないから位相って言葉でごまかした。便利な言葉だけど、案外位相ずらしと言うのは間違ってないかも。透明円盤の特殊フォーメーション、クリスタルボンバーもなかなか謎攻撃。何回見ても集中攻撃にしか見えません(笑)今回から合体バンクに新しいカットが加入され、バルディオスの合体後のキメポーズが出現。ワイヤーフレーム演出かっこよすぎです。実はこのCGの様な未来的演出もアニメで初めて使われたもの。これを参考に、後のロボットアニメの合体・変形バンクシーンでよく使われる手法になりました。ゴールドライタンとかゴッドマーズとか。もしバルディオスより古いアニメでワイヤーフレーム演出使ってるアニメがあったら教えてください(笑)と言う感じで今日はここまでー。
それではまた〜(O_O)ノシ